鷹ノ目 犬飼六岐著.jpg時は元亀4年(1573年)、信長が京を焼いた頃。咎人を捕えて褒美を稼ぐ渡辺条四郎。一文字の輩の末裔。逃亡者の痕跡を見つけ出すことに長け、"鷹ノ目"と渾名される。痩せ馬に乗っているのはユーモラスだが、短弓の名手だ。「荒野をさまよう男ひとり。心に秘めたる悲願あり」とあるが、戦国時代の混乱、策略渦巻くなかで、「煮ても焼いても、とうてい喰えない」というのは、条四郎の親父だけでなく、女人も子供も村人もしたたかだ。「生きる」ことがいかに至難であったかを感ずる。


「ドイツ帝国」が世界を破滅させる.jpg「日本人への警告」と副題にあり、かつては類似性があるとされたドイツと日本だが、現在の世界情勢のなかでの日本の位置に論及している。2011年以降にフランスの雑誌やインターネットサイトに掲載されたインタビューをまとめている。


「冷戦崩壊と欧州統合が生み出した"ドイツ帝国"」「EUの東方拡大によってドイツは良質で安い労働力を活用し、経済を復活させ、ヨーロッパを支配するに至っている」「EUとユーロは欧州諸国民を閉じ込め、ドイツが一人勝ちするシステムと化している」「ウクライナ問題の原因はロシアではなくドイツ」「自ら進んでドイツに隷属するようになったフランス」「ユーロを打ち砕くことができる唯一の国、フランス」「富裕層に仕える国家」「ユーロが陥落する日」・・・・・・。発言はかなり激しい。


バカ力.jpg「バカ力を身につけて、人生をもっとラクに生きましょう」ということ。完璧をめざさない強さ。楽しく生きる力。ストレスフルな毎日を、ユーモラスな毎日に変える力のこと。バカ力を存分に発揮しているとして、鈴木奈々がたびたび登場する。

心理学の「ピグマリオン効果」「プラセボ(偽薬)効果」「ミラーリング効果」「宣言効果」「ゲインロス効果」「ジェームズランゲ説」などを使い"バカ力"を語る。「臨床心理士とは"人を変える"のではなく、いかにクライアントの心に寄り添えるかだ」と述べる。

「おバカは裏表がない――そんな器用なことはできないから」「おバカは褒め言葉を全力で受け止める――本音と建前がわからないから」「おバカの周りには自然と人が集まってくる――癒されるから」「おバカは変なプライドがない――プライドをもつきっかけがなかったから」「おバカは人とすぐ仲良くなれる――警戒心がないから」「おバカは争わない――どうせ負けるから」「おバカは疲れない――好きなことしかやらないから」「おバカは根拠のない自信がある――自分の人生を生きているから」・・・・・・。

「おバカはありがとうを多用する。"すみません"ではなく"ありがとう"を」。「プラスマイナスの言い換えリスト」の「わがまま→マイペース、ぶれない」「変わっている→個性派」「細かい→几帳面、よく気がつく」なども面白い。


イスラム国よ 鎌田實.jpg

 「『イスラム国』よ、と心の中で呼びかけながら、この本を書き始めました」と書いてある。しかし、同時に「こちら側」にも呼びかけている。それは「侵略、戦争、貧困、格差、世界の構造が"イスラム国"的なものを生み出しやすくした」「暴力に対し暴力で制圧しようとしてきたことで、ますます非道な暴力が燃え広がり出している」「戦争は死者を生み、貧困を生み、そして貧困が憎しみと戦争を生む」「貧困を減らし、戦争をしないことが大事」「非暴力、人道支援という手段でいきたい」「非道な暴力に対抗するには"力"と"愛"、このふたつのバランスが必要だ。・・・・・・"力"よりも何十倍も大きな"愛"の手を差し伸べることが大切だ」・・・・・・。そして「聴診器でテロとたたかう」「一番大切なのは非軍事支援」という。


イラク戦争の停戦直後、イラクへ入って感じたことは「民生の安定が平和の礎」「早く生活を取り戻せるような支援を」ということ、そして鎌田さんの「力と愛のバランス」ということだ。


超インフラ論.jpg

災害の多発する脆弱国土・日本。大地震、集中化・激甚化する雨、火山噴火・・・・・・。防災・減災・老朽化対策・メンテナンス・耐震化は急務であり、インフラのストック効果も目に見えるようになっている。藤井さんは「我が国のインフラは決して一流と呼べる水準にはない」「東京一極集中と地方経済、ひいては地方消滅の危機をもたらしている問題の根幹には地方におけるインフラの停滞がある」「日本経済低迷の背後には、日本全体におけるインフラ政策の停滞がある」とデータを示し指摘する。


さらに、例えば東京一極集中の要因には、新幹線が東京に極端に集中するようにインフラ投資の偏在があるという。また、大阪と周辺地域を新幹線でつなぎ、「大大阪圏」をつくること。さらに太平洋ベルト集中構造を変えて、「北方・大交流圏」「北陸羽越・大交流圏」「中国四国・大交流圏」「九州・大交流圏」をめざすことを提唱する。あわせて交流の重要性・シビックプライドが地域にソフト面の交流をもたらすことを示し、「同じ財政支出を考えるなら、最大限にその財政を効果的に活用しようとするワイズスペンディングの姿勢が求められている」という。「地方が甦る"四大交流圏"構想」が本書の副題だ。

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プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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