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防災技術の海外展開へ

2013年9月26日

20130926 01.jpgインフラシステム輸出戦略の一環

動き出した官民連携


政府が5月にインフラシステム輸出戦略(※)を決定したことを受け、国土交通省は日本の優れた防災技術を海外に展開しようと、官民連携の新組織を今年度中に立ち上げる。防災インフラの整備や災害復旧などの協力関係を築く「防災協働対話」も積極的に実施している。自社技術の海外展開に意欲を燃やす企業の取り組みなどを追った。


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海外の洪水対策など 日本企業の独自技術

高知県に本店を置く土木建設企業、株式会社「技研製作所」。同社の誇る技術は、独自の圧入機械で、くいや鉄板などの構造部材を地盤に押し込み、強度や粘りに優れた壁面などを造るインプラント工法だ。経済的で作業効率が良く、環境への影響を抑えられるのが特長。これまで、さまざまな現場で活用されている。東日本大震災の津波被災地でも、この工法が多く見受けられるようになった。南海トラフ巨大地震への備えを急ぐ高知県では、堤防の液状化を防ぐ工事に採用されている。

同社の工法は海外の災害対策でも生かされている。2005年8月に米国南東部を襲ったハリケーン・カトリーナ。市内の大部分が水没したニューオーリンズ市では、治水対策事業にインプラント工法が施工された。また、11年に起きたタイ洪水でも防水壁として導入されたほか、ドイツ・ライン川の洪水対策でも護岸整備に活用されてきた。「災害対策や防災には高い関心を払ってきた。海外でもさらにお役に立てるのでは」。同社の八重樫永規・社長室長はこう力説する。

海外展開が期待される日本の防災技術は、ハード面だけではない。建物の構造設計をはじめ、地震や津波の解析、シミュレーションなどのソフト事業を展開している株式会社「構造計画研究所」。荒木秀朗・常務執行役員は、自社ソフト技術の海外展開をめざす。当面は、長年の知見が蓄積された耐震設計分野について、「トルコなど地震が多発する地域で当社の技術を生かせないか」(荒木氏)と展望を模索している。

年度内に 産官学の新組織
 
国交省、新興国と対話推進


防災計画や建物の耐震化技術、災害の復旧・復興の進め方などで「日本は本来、国際競争力を備えている」(国交省海外プロジェクト推進課)。一方、経済成長を遂げてきた新興諸国では、これまで後回しにされがちだった防災・減災対策に本格的に取り組もうという機運が高まっている。

両者の橋渡しをする官民連携の新組織は、相手国の課題やニーズ(需要)に合った防災技術を産官学で効果的に開発し、アピールする役割を担う。(1)企業の持つ技術やノウハウなどシーズ(種)(2)相手国のニーズ(3)実現への目標を定めた戦略―から相手国にアピールする。8月8日に説明会、今月5日に設立準備会議が相次いで行われ、両会合とも大勢の関係者が出席するなど、関心の高さがうかがわれた。先の技研製作所と構造計画研究所は、新組織の準備委員会の世話人に名を連ねている。

防災協働対話の動きも活発だ。同対話は、産官学が連携して相手国の課題や要望を日頃から把握し、災害発生時には状況に合った支援メニューを迅速に実行するものだ。太田昭宏国交相(公明党)は、8月12日にミャンマーで防災担当3大臣と会談し、防災協働対話の枠組み構築をめざすことで合意。今月11~14日にはタイとベトナムを訪問し、両国と覚書を締結した。政府はその他にも、インドネシアや南アフリカとも同様の協力関係を結んでいる。
 
公明「国別に支援プログラムを」

防災技術の海外展開については、公明党の山本香苗参院議員が5月7日の参院予算委員会で取り上げた。山本さんは、自然災害で培ってきたハード、ソフト両面併せた防災技術が日本の強みだと指摘し、国別に支援プログラムを作り、平常時から防災協力関係を構築するよう主張。太田国交相が「国別に防災協働対話の場を設けていきたい」と積極的な姿勢を示していた。

※インフラシステム輸出戦略

政府の掲げる成長戦略の柱の一つ。新興国を中心とする膨大なインフラ(社会資本)需要に応え、機器だけでなく、設計、建設、運営、管理などシステム一式を輸出し、日本の力強い経済成長につなげる。

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