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"生活弱者"の住まい確保

2020年11月29日

セーフティネット住宅を活用
東京・豊島区

東京都内で空き家を改修して高齢者や障がい者、生活困窮者向けの住宅を確保する官民連携のプロジェクトが始まっている。公明党が推進し、高齢者らを対象に低家賃で住居を提供する政府の「新たな住宅セーフティネット制度」を活用した取り組みだ。近所には相談や交流ができる拠点も設けている。プロジェクトの内容と、施行から3年が経過した制度の現状を追った。


■居住支援法人が借上げ/家賃保証と見守りで家主に安心感

1004722.jpg東京23区で空き家率が13・3%(2018年)と最も高い豊島区。一般社団法人コミュニティネットワーク協会は19年から、この地域で「としま・まちごと福祉支援プロジェクト」を区と連携しながら進めている。同協会については、11月4日に、公明党の太田昭宏全国議員団会議議長、「住まいと暮らし問題検討委員会」の山本香苗参院議員(委員長)、国重徹衆院議員(事務局長)らが視察し懇談している。区内の空き家物件を、高齢者など"生活弱者"の入居を拒まない「セーフティネット住宅」として活用する取り組みで、昨年度の国土交通省「人生100年時代を支える住まい環境整備モデル事業」にも選定されている。

高齢者らは家賃滞納や孤独死などの懸念から、家主に入居を拒否されるケースが多い。この課題を解決するため、同協会が居住支援法人として空き家を借り上げ、家賃保証や見守り支援、入居者に不測の事態があった場合の対応を引き受けることで家主が安心して貸せる仕組みをつくった。

■空き家を改修しシェアハウスに

その第1弾として、協会が今月から入居募集をしたのは、池袋駅から徒歩13分の距離にある築35年の一戸建て。7年間、空き家だったものを最大4人が入居できるシェアハウスに全面改修した。

風呂やトイレ、キッチンは共用。住宅セーフティネット制度の家賃低廉化補助を活用し、家賃は2万8000円~2万9000円に抑えた(共益費は水道、光熱費込みで1万円)。

同制度には月額最大4万円(現在は新型コロナ対応の特例で同8万円)の家賃補助があり、国と自治体で半額ずつ負担する。豊島区の場合は月額3万円で設定している。

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【写真左】シェアハウスの概観
【写真右】改修されたハウスの1階の共用ダイニングで談笑する渥美理事長(左)ら

■交流拠点で孤立防ぐ

入居者の孤立を防ぐため、協会は今年7月、交流拠点を池袋駅近くに開設した。スマホ教室やマージャン、いすヨガ、卓球教室など、日替わり講座を試行している。夜は「おたがいさまサロン」として、食事ができる交流イベントも行う。

プロジェクトでは今後、地域に点在する空き家や空き室を活用し、区内に50カ所の住居や交流拠点の整備をめざす。協会の渥美京子理事長は「都心部の孤立と貧困を解決するモデルを豊島区でつくり、広げていきたい」と意気込む。

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           【写真】池袋駅近くの交流拠点で開催された卓球教室

■登録目標17.5万戸達成へ/国交省

改正住宅セーフティネット法は17年10月に施行された。高齢者や障がい者、子育て世帯など「住宅確保要配慮者」の入居を断らない住宅の登録を進め、その情報を要配慮者に提供することで、住宅を探しやすくすることが柱だ。

国は登録した家主に対して、住宅改修費や家賃を下げるための経済的支援を行う。加えて要配慮者に付き添って住宅を探したり、入居後の見守りサービスや家賃保証を行う居住支援法人を指定し、支援する。

セーフティネット住宅への登録戸数は、10月末時点で約13万4000戸。登録審査中のものが約7万8000戸あり、国交省が目標に掲げる「20年度末までに17万5000戸」は達成できる見通しだ。居住支援法人は46都道府県に350まで拡大。自治体と関係団体からなる居住支援協議会には、19年度末で全国74%の自治体が参加している。

■低廉化制度の拡充を公明、国政で訴え

一方、家賃低廉化補助を導入している自治体は8月時点で全国35団体。都内では豊島区のほか、墨田、世田谷、練馬の各区と八王子市にとどまる。財政的負担を伴うため導入に踏み切れない自治体も多い。

公明党の住まいと暮らし問題検討委員会は8月、国交部会は9月、それぞれ赤羽一嘉国交相(公明党)に対し、住宅セーフティネット制度の拡充を要望。家賃低廉化制度については、住居確保給付金の利用者や低所得のひとり親家庭の住居をセーフティネット住宅として登録し、そのまま住み続けられるよう、公募原則の適用を外すよう求めた。

今月25日の衆院予算委員会でも伊佐進一氏が、家賃低廉化補助の活用が進んでいない点を指摘し、要件緩和など一層の対策を講じるよう訴えている。

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