現代文明論講義.jpg現代文明の病――それはニヒリズムであり、ニヒリズムはヨーロッパの歴史そのものだ、と佐伯氏は言う。

それではニヒリズムとは何か。それは至高の諸価値がその価値を剥奪されて無意味となることであり、最高の諸価値の崩落である。ニーチェは、世界の虚構性を暴き、統一の崩落、目的の崩落、真理の崩落の3つをニヒリズムの形態としてあげる。その崩落感を避けようとすれば、意味を問わない、物事の底を問うなということになる。しかし、人は無価値の世界に住むことはできないがゆえに、生命尊重主義、自由平等、個性の尊重など新たなフィクションをつくり出す。

20世紀に入り、近代の超克が、問題となったが、ハイデガーは「存在するもの(存在者)」に意味を与えようとする。死を先取りした現在の意味付け、決断だ。一方、日本の思想は西欧は有、存在の思想に対して無の思想だ。無が存在を支えているがゆえに、我々は深刻なニヒリズムに陥ることはない。佐伯さんは日本思想のもつ可能性を示す。

本書は「ニヒリズムをめぐる京大生との対話」という副題をもち、マイケル・サンデルの白熱授業に類して学生との対話を行なっているが、奥行きは東洋思想にも及ぶだけに深い。
私は、「有と無」で「空」、「存在と時間」で「常住と無常の法」に思考が及ぶ。ニーチェは"客観的真実は存在しない。あるのは1人1人の解釈(どう意味をもたせるか)である"というが、それには意識と無意識、仏法の九識論を考える。


20120707JA1・jpg.jpgのサムネイル画像こんにちは、太田あきひろです。

7月7日、七夕の諸行事が行われるなか、JA東京スマイルの花と野菜の即売会が足立区・舎人公園で催され、賑わいをみせました。とりたての野菜、それらでつくった食品などを求めて、行列ができましたが、あわせて品評会(審査)も行われました。近くでつくられた野菜等はじつにみずみずしく生命力があり、心まで元気づきます。

20120707JA2・jpg.jpgのサムネイル画像農業といえばコメを中心とした農政に片寄りがちですが、新鮮で安全・安心の農産物を供給する都市農業はきわめて重要。生産においても、環境においても、持続的循環型の地域の安定した発展においても、防災においても、また地産地消ということでも大切です。しかし都市部で農業に携わっている方々は、都市化、農政無策、生産緑地における相続税問題などで本当に大変ななかで歯を食いしばって頑張っているのが現状です。政治が力を注がなければなりません。頑張ります。


20120706日本は世界一の環境エネルギー大国.jpg一昨年6月、エネルギー基本計画が打ち出された時、原子力は"原子力ルネッサンス"ともいうべき世界的なトレンドの中にあった。太陽光、風力、小水力、バイオマス、地熱......。今は"再生可能エネルギールネッサンス"を始めなければならない。

「風力発電のフロンティアは洋上」「日本の太陽光発電技術は世界一」「導入ポテンシャルの高い地熱」「豊かな水資源が助ける小水力」「アメリカのシェールガス革命」「日本の海底にある宝のガス、メタンハイドレード」「蓄電池で世界をリードする日本」「世界に先駆けて日本が開発する宇宙太陽光発電」――。日本の可能性はヤマほどある。

さて問題は、必ず突き当たる障害をそれぞれがもっていることだ。それを突破できるかどうか。エネルギーをめぐって激しい競争の世界。時間との競争でもある。


20120703誰も書かなかった日本の戦争.jpg 1890年から1945年まで、考えてみればわずか55年。人類は二度の大戦を行い、日本は日清、日露、太平洋戦争へ進んだ。膨大な近・現代史だが、田原さんの問題意識は、鮮明だ。「日本は侵略戦争をしたのか」「ほとんどの人が負けるとわかっていた戦争になぜ踏み込んだのか」――全てがそこに照準があるがゆえに、それと自らの人生を考察しているがゆえに、本書は他をそぎ落とした明解さが際立つ。

"対華21か条要求から侵略"と考えてきたが、本書では、日露戦争の同時期、朝鮮における日本の動きは先行していると思われる。当時の伊藤博文や、あの昭和の戦争で回避を考えていた人たちが多いのに、激論の最後は国家よりも組織益に傾く判断が常にあった。

状況のなかから考える"流れ思考"。世界の状況、情報から隔離された稚拙な判断。今、自らも歴史のなかにいることを省みる。


20120701調節池視察.JPG8年ぶりとなる6月の上陸で、台風4号は各地に大きな被害をもたらしました。自然災害による危機が増大している昨今、都市部では、特に「ゲリラ豪雨」による被害が深刻です。

私の地元では、北区・堀船地域を中心に、石神井川(しゃくじいがわ)の氾濫による水害が、たびたび発生し、長年、住民の皆さまの悩みとなってきました。この解決に大きく寄与するであろう工事が、現在進んでいるため、私は6月29日、現地を視察してまいりました。

その工事というのは、石神井川の上流・練馬区で、目白通りの地下にトンネル式の大規模な調節池(ちょうせつち)を整備するものです。この「白子川地下調節池」によって、石神井川と、近接する白子川を地下で結び、増水時には、ここに水を逃がし、下流域での氾濫を防ぎます。直径10m、延長3.2kmという巨大な調節池の内部を間近で見て、その効果に更なる期待が募りました。一日も早い完成が待たれます。

私は、地元で水害が発生するたびに、すぐさま現場へ駆けつけ、国会でも対策を訴えてきました。
2004年10月14日には本会議で、「脆弱国土を誰が守るか。それは国の責任である」と追及。国土交通大臣からは「集中豪雨による水害や土砂災害対策について、抜本的な取り組みを推進する」との答弁を得ました。また、05年9月30日には衆議院の予算委員会で、堀船の床上浸水被害も取り上げ、凶暴化する都市型水害への対策を要望。09年4月28日の本会議でも、ゲリラ豪雨対策などに必要な公共事業を、できるだけ前倒しして執行することが大事であると訴えました。こうした取り組みを地道に重ねてきた者として、堀船地域の水害対策につながる地下調節池の建設は、大変にうれしいニュースです。

以前、民主党の国土交通関係の議員が、集まりで「米国では公共事業が国費の何%、欧州では何%。日本は多すぎる」と得々と語ったり、「1980年代に米国では、橋が崩落したというが、日本の橋は、どういう状況か」などと質問する姿に、"その勉強不足にあきれた"という話を、専門家から直接、聞いたことがあります。

日本は脆弱国土です。だからこそ、国民を守るためには、その強い自覚に立った、強い政治が必要です。私は何としても、「防災・減災ニューディール」を実現してまいりたい。こう決意を新たにしております。

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プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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