窓から逃げた100歳老人.jpg

100歳の誕生日に老人ホームから逃げ出した主人公、アラン・カールソンは、ひょんなことからギャング団の巨額の大金の入ったスーツケースを奪ってしまう。追手は増えていく。しかしアランは、出会う人間を次々と仲間に入れてしまう(近隣の鼻つまみ者ユーリウス・ヨンソンとか、ホットドッグ屋のベニー・ユングベリとか、その兄ボッセ・ユングベリとか、湖畔農場で暮らす赤毛女性ベッピンとか)。そればかりか、その大金をもっていた犯罪組織の親分や、象ソニアまでもだ。奇想天外、ハチャメチャ、デタラメな珍道中コメディだ。


しかもこの100歳のアランという男の人生がハチャメチャ。20世紀の歴史的事件に全部といっていいほどからんでいるという。その人生紹介が本書の3分の1位を占める。爆弾づくりの専門家として、フランコ将軍、トルーマン、スターリン、毛沢東、ド・ゴール、チャーチル、ジョンソン、ニクソン、フォード、ブレジネフ。たとえばSALTⅡなどもだ。


柳瀬さんは、「訳者あとがき」で「すばらしき出鱈目小説」と題し、「最も無駄になった一日は笑うことのなかった日である」という警句を紹介している。作者はスウェーデンの人。全世界で800万部を突破したという。


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11月1日、奈良県に行き、大規模な土砂災害の防災対策、飛鳥・奈良時代の歴史・文化を活かしたまちづくりについて、視察、意見交換しました。


まず土砂災害。今年も広島などで多くの豪雨災害がありましたが、3年前の平成23年8月、紀伊半島を桁違いの豪雨が襲いました。台風12号により5日間降り続いた雨は、紀伊半島山間部の広い範囲で1000mmを超え(2000mmを超えたところもあります)、多くの山の斜面で深層崩壊(地盤の深い層から根こそぎ崩れる現象)が発生。大量の土砂が集落や川に襲いかかりました。その量たるや、なんと約1億m3。東京ドーム約80杯分で、戦後最大規模です。道路は至るところで寸断されて多くの集落が孤立。土砂が川や渓流を塞いだところでは、天然ダム(河道閉塞)が数多くできました。それが決壊すると下流で二次災害が起こるため、国交省が排水路や砂防堰堤を整備していますが、今でも雨が降ると土砂が流れ込み、その対策は難工事です。


この日は五條市長、十津川村長、野迫川(のせがわ)村長、天川(てんかわ)村長と意見交換。災害当時の生々しい被災状況やご苦労をお聞きし、復旧に向けた要請を受けました。「今も大雨のたびに災害が起きないか心配している」「土砂を取っても取っても次々と流れてくる」「森林を守るために地域に住み続けたい。国交省のこれまでの取組に感謝しており、引き続き復興を支援してほしい」「災害でも孤立しないよう"命の道"である国道168号の整備を」――砂防工事には時間がかかりますが、対策に全力を尽くします。


そして歴史まちづくりについて。明日香村では、森本晃司元建設大臣(地元でボランティアガイドとしてご活躍)や森川裕一村長に案内していただきました。明日香村は約1400~1300年前の西暦600年代に国の都が置かれたところ。聖徳太子や推古天皇、大化の改新や壬申の乱など、数々の歴史の舞台となり、万葉集にも歌われた自然と景観が残っています。その"日本人の心のふるさと"とも言うべき歴史的風土を守るため、昭和55年に制定された明日香特別措置法で村全体の開発が制限されています。


その効果を示すように、実際に村に入るなり景観は一変。懐かしい田園風景が広がり、建物も低く抑えられ、屋根の形や瓦の色も統一されています。村に一つあるセブンイレブンもグレーの瓦屋根で、落ち着いた雰囲気です。古代のロマンを守るために続けられてきた努力が、まちづくりに結実していることを実感しました。


その後、奈良市へ移動。車中からも荒井正吾知事から道路整備やまちづくり、観光などの要望を受け、さらに復元が進められている奈良時代の都、平常宮跡や大極殿等を視察しました。


古代の歴史と文化の魅力を生み出すよう努力していることを実感。観光庁や公園整備を担当している私にとって有意義な視察となりました。

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プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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