新型コロナウイルス感染拡大による影響で、中小企業・小規模事業者などから「売り上げが激減して資金繰りが大変だ」「融資も助かるが、将来返せるか不安。給付が一番ありがたい」「税金の支払いを待ってもらえないか」という相談が多くなっています。

今回の「緊急経済対策」(補正予算案)で決まった緊急支援は、「収入減の中小企業・小規模事業者に最大200万円、フリーランス含む個人事業主に最大100万円を給付」「実質無利子・無担保の融資を民間金融機関でも実施」「雇用調整助成金の補助率を引き上げ。中小企業は5分の4。非正規、新入社員も支援対象に」「法人税などほぼ全ての税目で納税を1年猶予。固定資産税も減免」です。補正予算案成立後に実施になります。

補正予算案を1日も早く成立させ、事業継続のための支援策を円滑に実施できるよう頑張ります。


江戸暮らしの内側.jpg江戸の文化は庶民の文化だ。大坂夏の陣(1615)から70年、元禄年間(1688~1704)に、庶民文化の成熟を迎える。平和であったればこそ、そして大災害や飢饉、火事等の危険にどう立ち向かうかが、切実な問題としてあった。江戸暮らしの内側を見ると、副題にある「快適で平和に生きる知恵」があふれている。「生活文化」「暮らしの文化」の基層には思想がある。「物的資源の有効利用」「近隣住民との長屋等での適度な付き合い」「倹約」「地域共同体の重視」・・・・・・。その深層にある道徳思想、「石門心学」と呼ばれる庶民哲学を生み出した石田梅岩の思想。日常を大事にし、平安や治安の良さを感受し、それを維持するための「道徳」「修身斉家治国平天下」の浸透だ。抜群に面白い書。

「秩父流平氏の一族・江戸氏に由来する江戸」「家康の利根川の東遷、荒川の西遷」「井の頭池を主たる水源とする神田上水(飲料水の確保は最重要課題)」「明暦の大火(1657)で3分の2が灰燼と帰し、木造密集の弱点克服の為に道幅を広げる大江戸の誕生」「大江戸をつくる為に男性が流入、18世紀になると100万都市(北は千寿、南は品川)」「流入者に長屋を借家として提供、間口2.7m、奥行3.6m(2間)と狭く、上水道の上水井戸を共有。汚水は下水道へ。管理するのは大家」「余所者が集う小さな共同体に生きる庶民が魅力あふれる文化をつくり上げた」――。

「朝夕2食だった日本人が朝昼夕の3食に変わったのは、明暦の大火で流入した肉体労働者の体力維持の為だった」「江戸の茶漬け文化と上方の粥文化の意味」「関東の蕎麦と関西の饂飩(醤油も先進地域は関西だった"下り物""下り醤油"が、野田・銚子で安い地廻り醤油が出回るようになった)」「"江戸の前の海"の江戸前の鰻、屋台で揚げた天麩羅、大ヒット握り鮨と稲荷鮨の工夫」「"さっぱり"したい江戸っ子の服飾文化と銭湯・共同浴場」――。

「庶民の教育、寺子屋で学ぶ子ども(江戸後期で男性50%、女子20%)」「道徳教育を施した寺子屋という装置」「人足寄場という再教育施設(天明の飢饉と長谷川平蔵)」「石門心学と心学講舎」「活発だった出版と本の流通」「与えられた場で懸命に生きるということ、江戸庶民の生老病死」「天災地変と笑い――庶民の人生哲学」「過ぎ去ったことは悲しんでも始まらぬ。悲嘆の代りに陽気を選びとる放れ技、できるだけ楽しんでやろうという心性」――。

「与えられた場で懸命に生きる」――江戸庶民の日常生活が活写される。


緊急経済対策.jpg

7日、新型コロナウィルス感染症について、「緊急事態宣言の発令」「緊急経済対策の決定」が行われました。10日には、「収入の大幅な減少世帯に対して30万円給付」の全国一律の基準を発表、また東京都は政府との協議を経て「休業要請」の対象を決定しました。こうした広範な課題に取り組むとともに、なんとしても新型コロナの拡大阻止に全力をあげます。

現金給付.jpg休業一覧2.jpg


年金崩壊後を生き抜く 「超」現役論.jpg"老後資金2000万円"問題――その提起したことを冷静に把握・分析し、真正面から「人生100年代の生活」「日本の社会保障と財源」「高齢者の働き方や生活」を考える。

日本の人口構造は今後も高齢化が進行するので、社会保障の抜本的見直しが必要となる。まず年金――。2019年の財政検証で「年金財政はおおむね維持できる」というが、「マクロ経済スライド」「実質賃金効果」「非現実的な経済前提」の3つのトリックがあり、このままでは年金財政は破綻する可能性が高い、という。保険料収入が減少して給付が増加する、そのギャップをどう埋めるか、ということだ。「保険料率引き上げ」「マクロ経済スライド強化」は政治的にも困難だから、「支給開始年齢引上げ」が可能性が高い。しかし、70歳支給開始となれば、9割の人々が老後生活資金を賄えないという。

労働力不足のなかで、「女性労働力率の引上げ」「外国人労働者の活用」の2点以上に大事なのが高齢者の労働力を引上げること。社会保障の給付と負担の双方、労働力の確保などあらゆる面で高齢者の就労を進める必要がある。しかし高齢者の就労はなかなか進まない。働くことが損になってしまう制度となっていることが大きな要因で、とくに「在職老齢年金制度」と「高齢者医療制度、医療費の自己負担」「介護保険」の現状を改革する必要がある。「働くと年金が削減される」「働くと医療費の自己負担がぐっと増える」「介護保険でも前年の所得が一定限度を超えると自己負担率が高まる」というわけだ。「所得ではなく資産を勘案して自己負担率を決めるべきだ」と主張する。

高齢者はどう働けばよいか――。「定年延長の問題点」「企業のアウトソーシングによっての可能性」「ITで広がる高齢者の働く分野」「高まるフリーランサーの可能性(フリーランサーの時代が来た)(フリーランサーになるには早くからの準備が必要)(フリーランサーで働ける税制改革を急げ)」などを提唱している。


できない相談.jpg人間にはどこか、何かにこだわるということがあるようだ。人は一人では生きて行けないから、感情のズレもあるし、心の中にわだかまりが沈殿する。夫婦、会社、友人との会話のなかで、それが積み重なっていく。微妙な人心の「あや」を小さな38もの話としてまとめた。人間って滑稽だし、面白い生き物だ。「日常の小さな抵抗の物語」といっている。

「あるある」という話、「勘違い」の話、「他人事だと軽く笑っていたら自分に返ってくるブーメラン」のような話、「調子に乗ると・・・」という話、「小さな意地、抵抗」の話・・・・・・。「2LDKの攻防(光った妻の目、野獣のような夫の目)」「東京ドームの片隅で(クライマックスを共有したいのに)」「イマジネーションの檻(象でもはな子とちゃう)「押し売り無用(勇気と感動)」「紙の塔を築く(子供の心の内)」「世界一平凡な説教(何かあると出てくるそいつの説教)」「羊たちの憂鬱(三人の口癖)」「支柱なき世界(鎌倉幕府は1185年?)」「日本語で話せます(日本に滞在してもう8年なのに)」「さっさと忘れるしかないような一件(恋人?)」「満場一致が多すぎる」「絆について」「最後の旅行(親子三人の家族旅行)」「こっちの身(うるさい寿司屋)」「電球を替えるのはあなた」・・・・・・。

絶妙で面白い。人間ってこういうもの。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

太田あきひろホームページへ

カテゴリ一覧

最新記事一覧

月別アーカイブ

上へ