「悪どい連中から金を巻き上げるのがわたしのポリシー」――海外で荒稼ぎして帰国した詐欺師の伏見藍、33歳独身。ある政治家のパーティーで上条みちる(27歳)と知り合い、興味を抱きタッグを組むことに。みちるは親の仇を探しており、そのために金がいるという。早速、2人は若き法務大臣・松浦秀和を罠にはめ、大金をせしめる。みちるの仇とは、世界的企業に成長した戸賀崎グループの筆頭株主で、表舞台から姿を消した老女・戸賀崎喜和子。みちるの父親が、不正経理の濡れ衣を着せられ、両親が死に追い込まれたのだ。したたかな観察眼と巧みな話術をもつセレブの藍、生真面目で節約家のみちるの二人が、復讐劇に突き進んでいく。
その途中で起きる自由が丘バラバラ両足切断遺棄事件、裏面を持つ探偵、届けられる靴の中の足首、事件を追う立場から狙われている立場への逆転劇・・・・・・。そこには驚愕すべき事件の真相が・・・・・・。
人間がここまで残酷になれるものか。また人間の愛は理をはるかに超えゆくものなのか。軽妙であるとともに、どす黒い血が怖いほど流れている。