「大相撲の不思議」シリーズの2。当たり前に思ってきた大相撲の世界だが、長い伝統の上に築かれてきたたことがよくわかる。
「土俵を彩る舞台装置」――。徳俵は「得」が「徳」に。雨が降ったときの「排水口」「水流し」の意味とともにに、修験道の「違い垣」(忌垣)。塩は「清めの塩」だ。太鼓は「寄せ太鼓」「跳ね太鼓」、街を巡回する「触れ太鼓」の3つある。
「土俵を支える人々」――行司の仕事、呼出の仕事、床山の仕事はたくさんある。「まるで昔話? 知られざる力士の日常」――大相撲の根幹をなす部屋制度。五つの一門、相撲部屋は44 (2022年3月)。外国人力士の日本語がうまいのは「必死」だから。内舘さんと朝青龍のバトルは「巡業さぼり事件」から。巡業や花相撲の時行われる「初っ切り」の名人だった勝武士のコロナ死。相撲列車が発着する東京駅は、大変な好角家だった辰野金吾が不知火型の横綱土俵入りをイメージして造った。
「勝負は、こうして始まる」――取組編成、張出、顔触れ言上。スタートの合図がない"呼吸"で立つ立ち会い。「熱戦の本場所」――力士の過密日程と休場者の続出を憂う。決まり手は48手どころか82手。勇み足や腰砕けは82 手に入らない「非技」・・・・・・。
このシリーズはとても面白い。