asakusa.jpg浅草寺の一角で、寺子屋を開いている大滝信吾。源吉や三太、おさよなど近くの長屋に住む町人の子に慕われ、親からも信頼されている。実は兄が旗本で三河以来の家柄で代々御膳奉行の要職をつとめている。信吾の周りでさまざまな問題、事件が起き、穏やかな日常を揺さぶる。

「定次(源吉、おみねの父)って野郎が借金を返さない」と闇の世界を操る狸穴の閑右衛門の手の者に押し掛けられたり、おゆうが「妾の子」と言われて悩んだり、寺子屋に通う小杉太一郎の父が賭場の用心棒で雇われて悩んだりする。三太の父、魚屋の善蔵が「痛んだ魚を持ってきた」とデマを流され窮地に陥ったりする。その都度、信吾は大切な人々を守るために、江戸の闇と戦ったり、自分も母が芸者の「妾の子」であることを明かしたりする。一つ一つに人情が溢れ、ほっこりしたりする。

また、兄から大滝家を継ぐ気はないかと提案され悩む。さらに浅草寺の境内にある正顕院の住職・光勝は元は武士。上意討ちの命が下って友垣を討つ。二度と刀を持つ気にならず出家し、住職となっていた。「自ら苦しまれるがゆえに、ひとの苦しみを救える----かるがるしく申してよいことではないが、あの方を見ていると、天命ということばが頭をよぎるのだ」と信吾に兄は言うのだ。討たれようとする。そして最後、ことごとく逆らったとして狸穴の閑右衛門は信吾を放擲しようとするのだが・・・・・・。

これまでの作品とは違い、江戸庶民、浅草界隈の人心の機微を丁寧に描いている。 

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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