syukumeinoko.jpg201212月、第二次安倍政権が始動した。第一次政権があのように終わって5年――本書にもあるが、地獄を見た5年だったと思う。私も共に地獄を見たゆえに「日本再建」「日本はこんな沈んだ国ではない」「もし再びのチャンスが与えられたならば、全てを投げ打って、遮二無二働く」――ニ人にそれは共通したマグマだったと思う。

「安倍晋三政権クロニクル」――帯に「『戦後』を終わらせるため、彼は戻ってきた」とあり、「19回の本人インタビュー&菅、麻生、岸田・・・・・・肉声の政治ドラマ」とある。特に政治家だけでなく、今井秘書官をはじめとする官邸スタッフ、学者・有識者など優秀なブレーンを結集・結束させた執行部形成能力が安倍政権の特徴であり、船橋さんはそこを徹底的に取材をし、安倍政権の戦略性と具現化への戦いを浮き彫りにしている。

<上>は、「再登場」「アベノミクス」「靖国神社」「尖閣諸島」「TPP」「慰安婦」「戦後70年首相談話」「平和安全法制」「広島/パールハーバー」「消費税増税」の10章。随伴してきただけに思い起こすことが多いが、関係当事者がどういう思いで戦ったか、改めて各プレイヤーの肉声に触れることができた。戦略的に挑戦、行動する――それが安倍政権の特徴であったと思うが、それにしても、凄まじい激闘の日々であったことが蘇る。 

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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