ri-da-no.jpg自分の人生を決定づける言葉がある。苦難に直面した時、重要な決断の時、惰性に流れてしまっている時、絶望の淵に立っている時、師匠や先達の一言があったればこそ、今の自分がある。文藝春秋誌上に、かつて掲載された「わたしの師匠」や「肉親と先達が遺した言葉」など、よりすぐりを取り上げた本。語られる人も凄いが、それを語っている人も素晴らしい。

「松下幸之助(語るのは野田佳彦)」「丸山眞男(三谷太一郎)」「石原裕次郎(峰竜太)」「井上ひさし(野田秀樹)」「田部井淳子(市毛良枝――エベレストも登りたくて登っただけよ。自分がやりたいと思うことは、やろうとさえすれば何でもできる)」「後藤田正晴(的場順三)」「やなせたかし(梯久美子――逆転しない正義というものがこの世に存在するのか。たどり着いたのが『飢えた子供にひときれのパンを与えること。少なくともそれはひっくり返ることのない正義であるはずだ。自分の顔を食べさせる。ヒーローアンパンマン』――正義には自己犠牲が伴う)」・・・・・・。

「吉本隆明(糸井重里)」「蜷川幸雄(鈴木杏――できない悔しさや認められたいという気持ちに向き合っていなければ、上手くはならない。自分の感情から逃げるな)」「司馬遼太郎(村木嵐ーームラ気乱子さん)」「小山内美江子(名取裕子――年を重ねているのにいい仕事、いい役に恵まれているみたい。そのまま、ふわりと演じているからかな)」「黒田清(大谷昭宏――権力との向き合い方)」「大平正芳(古賀誠――君はヒンクを経験しているじゃないか)」・・・・・・。直接お会いした方もいる。改めて思い出す。

「水木しげる――『妖怪』と『家族』を愛した漫画家の幸せな晩年(武良布枝=夫人、長女、次女)」「美空ひばり(加藤和也――おふくろの素顔、不死鳥コンサートの舞台裏)」「石原慎太郎(石原延啓――父は最期まで『我』を貫いた。創造的な世界にひとつのやり方を投げかけることはできたよな)」「阿川弘之(倉本聡――「瞬間湯沸器」と云われるほど短気直情の方である一方、ユーモア好きの男っぽい紳士)」「立花隆(佐藤優――私とは波長が合わなかった『形而上学論』)」「半藤一利(保阪正康――徹底したリアリズムの手法で昭和史に新たな光を当てた。卓越していた証言の真贋を見極める眼。経験上、証言者には「1 1 8の法則」がある)」「中村哲(澤地久枝――後世への最大遺物。用水路は残る)」・・・・・・。

凄い人たちがいる。 

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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