資本主義の終焉と歴史の危機.jpg

「終わりなき危機 君はグローバリゼーションの真実を見たか」「世界経済の大潮流」の両著の延長線上にある。


「地理的・物的空間(実物投資空間)」に見切りをつけた先進国の資本家たちは「電子・金融空間」という新たな空間をつくり、利潤極大化という資本の自己増殖を継続している。リーマン・ショックは、その無理な膨張が破裂したものだ。グローバリゼーションは「中心」と「周辺」の組み替え作業であり、「先進国(中心)と途上国(周辺)」「ウォール街(中心)と自国民(周辺)」という構造をもつ。食料価格や資源価格の高騰は、貧富の二極化、中間層の没落を引き起こす。グローバル化と格差の拡大だ。「ゼロ金利は資本主義卒業の証」「矛盾が、資本主義終焉の一歩手前まで蓄積している」「資本主義の本質は"中心・周辺"という分割にもとづいて、富やマネーを"周辺"から"蒐集"し、"中心"に集中させることだ」――。


そこでどうするか。本書の意図はそこにある。まず資本主義の暴走を食い止めて、どう"定常状態"をつくるかだ。ゼロ金利、ゼロ成長、ゼロインフレに突入している日本は、それをアドバンテージだととらえて、人口減少に歯止めをかけ、国内での安価なエネルギー創出なども含め、"定常状態"をつくるべきだ。成長市場主義から脱却しよう、という。


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「砂浜を取り戻す」――6月8日、神奈川県二宮町に行き、西湘海岸保全事業着手式に出席しました。


湘南海岸の西側、小田原市から大磯町にかけての西湘海岸は、美しい景観に恵まれ、海水浴や釣りなど海のレジャーが盛んな地域。しかし一方で、深く急峻な海底谷が海岸に迫る特殊な地形のため高波が襲いやすく、海岸の砂が流出して浸食され、これまで度々被害を受けてきました。平成19年の台風9号では、高波で30mほどあった砂浜が完全になくなり、海沿いを走る西湘バイパスが約1km崩れ、3週間も通行止めになったほど。美しい景観を再生し、地域の安全を守っていくことが課題です。


海底の谷への砂の流出をくい止め、砂浜を回復するのは全国でも例がない難工事。地元からは「難工事なので、是非、国が事業を進めてほしい」と強い要望をいただいていましたが、今年度から国交省が直轄で事業を進めることになりました。


式典で私は、「工事に当たり、地域の特性に応じた新工法を採用しながら対策を実施し、早期完成に向けて最大限努力をする」と述べました。


地元の黒岩祐治・神奈川県知事、加藤憲一・小田原市長、坂本孝也・二宮町長、中﨑久雄・大磯町長から、「永年の悲願が叶った」「1日も早く昔の砂浜を取り戻したい」と感謝と期待の挨拶が続きました。


去る4日には、海岸法の改正が国会で成立したばかり。「緑の防潮堤」など新しい取り組みも始まりました。海岸の防災・減災、適切な維持管理に向けて取り組みます。


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内村鑑三が「代表的日本人」で、ケネディ大統領が「尊敬する日本人政治家」としてあげた上杉鷹山(1751年~1822年)。日向高鍋藩主・秋月種美の次男で、10歳で米沢藩の第8代藩主・上杉重定の養子となる。


家康に敵対して120万石から30万石へ、さらに三代藩主・綱勝の急死によって断絶寸前で15万石に減らされた衰退の上杉を引き継いだ上杉治憲(鷹山)だが、その生涯は苦難の連続。養子、小藩の出と馬鹿にされ、寵臣の堕落、飢饉、火災、さらには幕府から課せられる手伝い普請・・・・・・。他の大名家もそうであったと思われるがとにかく財政ひっ迫、借金まみれ。米以外の漆や楮(こうぞ)、桑など殖産興業を、武士たち参加の下で生き抜こうとした。


民とともにある名君・上杉鷹山というより、寵臣をも断罪・切り捨てて進んでいく激情・苦闘の人物像を描いている。「なせば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり」の名言の意味するところを知ることができた。本書では「勇をもって当たれば、何事もなせまする」と逡巡のなかで決断して進む鷹山の強さが印象深い。


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6月3日、都内で開催された「第10回水害サミット」に参加しました。


この会議は、大きな水害を経験した市町村長が毎年集まり、自らの経験を通じて得た教訓を議論して、今後の防災・減災に役立てることを目的としたもので、今年で10回目。貴重な経験に基づく実践的な議論が10年にわたって継続していることは大変有意義です。私は昨年に続き2度目の参加ですが、國定勇人・新潟県三条市長、中貝宗治・兵庫県豊岡市長、西田健・和歌山県紀宝町長、佐藤義興・熊本県阿蘇市長など16名の首長さんたちが集まり、熱心な議論が展開されました。


今年の3月には、これまでの成果が「防災・減災・復旧 被災地からおくるノウハウ集」として本にまとめられました。その冒頭には災害時にトップがなすべきこととして11項目が集約されており、私は「全ての市町村長が必読すべき内容だ」と述べました。


・「命を守る」ということを最優先し、避難勧告を躊躇してはならない


・判断の遅れは命取りになる。トップの決断を早くすること


・人は逃げないものであるということを知っておくこと


・大量のゴミ対策を


など、ギリギリの場面でどう住民に危機を伝え的確な指示を出すか、現場で悩み苦しんで得た珠玉のノウハウ集です。

 
九州、四国など西日本は既に梅雨に入り、出水期を迎えています。昨年は気象庁の特別警報が始まり、今年はタイムライン(台風上陸前の時間軸に沿った防災行動計画)を策定するなど新たな取り組みが進んでいますが、水害サミットの教訓を今後の防災対策にしっかり活かしていきます。


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「平成政治史1」、岩波書店とくれば、学術書と思うが、「崩壊する55年体制」と副題にあり、ドキュメントだ。しかも、政治の現場に常にいた後藤さんが、すぐれた動体視力と皮膚感覚でとらえ、政治家の肉声が散りばめられている。「政治は一寸先が闇」というが、まさに激動の90年代。「俺は今、どこの党かと秘書に聞き」の川柳のごとき、離合集散、生々しい権力闘争の時代だ。昭和63年(1988年)12月24日、竹下内閣から本書は始まる。宇野内閣、海部内閣、宮澤内閣、細川内閣、羽田内閣、村山内閣、橋本内閣までが描かれる。私が政治への道に進んだのが1988年秋。ちょうど本書とダブる。読むうちに、1つ1つが、くっきりと映像となって蘇ってくる。当然、現場にいた私なりの解釈もあるが、肉声と全体像、政治記者としての距離感がバランスよく絶妙だ。激流というより濁流の中で、とにかく前へと泳ぐような日々だった。またそれだけに、多くの方々との人間関係にも恵まれたと思う。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任、公明党前代表。元国土交通大臣、元水循環担当大臣。

現在、衆議院議員、党全国議員団会議議長、東京第12総支部長、首都直下地震対策本部総合本部長、現代中国研究会顧問など。

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