18歳選挙世代は日本を変えるか  原田曜平著.jpg新たな有権者240万人は日本社会にどんな変化をもたらすか。若者と政治、若者と選挙、若者の意識の変化を現場から探っている。

「若者は政治に興味がないというのは必ずしも正しくない」「(世界に比べて)日本の若者の政治離れが進んでいるのは、若者があえて政治に強い問題意識を持たずとも、失業率が高過ぎるヨーロッパの若者や、大学の学費が高過ぎるアメリカの若者と比べると、相対的に親の庇護や、そこそこの有形無形のセーフティーネットの下、それなりに安定して生活していける、ということを意味しているかもしれない」「現在の若者は、今の生活に満足度は高いものの、将来を非常に不安に思っている」「今の18、19歳は"脱ゆとり世代"で"さとり世代"。右肩上がりの景気感を全く知らない。物欲はあまりなく、車やブランド品、海外、お酒・・・・・・。無駄な消費や行動はできるだけ避け・・・・・・」「18歳選挙世代はラインというSNSアプリとともに青春時代を過ごしている」「将来は不安なので、無理をしないで今を楽しもう、という諦観の上に立った満足感を求める傾向」「不安のタネは、就職や結婚」「世界をゆるがす若者のパワー(各国)」「本来若者は生意気な生き物だったのに、"わからないのに投票に行っていいのか"と遠慮しがち」・・・・・・。

希望が持ちづらい低成長時代を生きた日本の若者は、世界に比べて相対的に恵まれ、優しい世代となっている。上昇志向を抱きにくく、現状維持志向となり、距離の遠いものではなく、身近なものに関心をもつ。国政の過剰な熱気と批判には、うさんくささを感じるようだ。高飛車な大上段の政策論より、地域や身辺の周りの子育て、雇用、保育所、学費等に関心をもつ。そして、「この人わかるわー」という共感、嘘はどんどん暴かれる時代だからオープン、正直さが大切となる。距離が近いことだ。何ごともそうだが、若者に寄り添って、いっしょに考える政治が求められている。いやそれは、世代を超えて日本社会がそうした方向に動いているのではないか。


いとの森の家.jpg小学校4年生の6月、福岡県糸島の田舎に都会の団地から引っ越してきた山田加奈子。それはたった1年間の新しい生活だったが、姉や家族、いつも一緒の咲子などとともに"普通の日々"の全てをどんどん吸収していく。そこで出会った「死刑囚の母」のおハルさん。「残酷なところもいっぱいあるの。残酷な時代でしたからね。踏みつけてきたのよ、たくさんの命や、心を」「あなたには、残酷なできごとが起こりませんように」・・・・・・。それは初登校の日、田んぼの畦道でどんどん踏みつけられていく蛙の轢死体に気分が悪くなって保健室で介抱される加奈子が重なる。

森や田んぼ、豊かな自然のなかで過ごした濃密な1年。命や生老病死の近い所で、子どもの感受性が、より磨かれていく貴重な日々が描かれる。いい。


愛知県 280612.jpg

いよいよ7月10日の参院選まで一か月を切りました。12日、大激戦の愛知県に行き、里見りゅうじ党労働局次長(参院選予定候補=愛知選挙区)とともに、名古屋市で街頭演説や里見りゅうじ後援会大会に出席しました。

今回、公明党は愛知では9年ぶりとなる選挙区での挑戦。新人の里見りゅうじさんは、厚生労働省に24年半勤務。「働く人を支援する」との原点の誓を忘れず、労働者の環境改善に全力で取り組んできた志の人です。国会担当も担っていたため、国会議員のなかで里見ファンも多いうえ、私の地元・北区ではPTA会長もやるなど庶民派、行動派です。少子高齢社会のなか、社会保障、子育て、医療・介護、雇用などが重要となっている日本。即戦力です。「ひとりのために、愛知から日本の未来をつくる」と力強く決意を述べました。

私は、「優秀で打つ手も早く、さらに"足で稼げる男"が里見りゅうじさん」「デフレを打ち破って安全・安心で勢いのある日本を築いていくのが公明党」「政治は結果。庶民に寄り添い、結果を出すのが公明党だ」と訴えました。


神奈川 280608.jpg

大激戦の神奈川選挙区へ――8日、相模原市内で行われたシンポジウムに、三浦のぶひろ公明党青年局次長(参院選予定候補=神奈川選挙区)と共に出席、絶大な支援を訴えました。

相模原市は、圏央道がつながり、リニア新幹線の駅ができる予定となっており、ロボット産業特区でもあり、水資源も豊富。地盤も硬く、首都直下地震ともなれば、防災拠点としても重要で、近年、大きく発展、注目されている市です。

金属工学の博士でもある三浦のぶひろさんは、「科学技術の力を前進させて地域経済を活性化させていく」と決意を表明。私は「日本の底力は現場の力。科学的頭脳をもち、現場のものづくり、職人さんの気持ちがわかる三浦さん。日本の未来を拓く人だ」と訴えました。


絞首台の黙示録.jpg死刑の執行から話が始まる。父の安否を確認するために、新潟の実家に戻ると・・・・・・。「まったく、おかしな話です。実家に帰ったら、自分にそっくりな知らない人間が現れて、自分は昨日死刑を執行された死刑囚だという。わけがわからない」――。

そして次々と出てくる主役が、「俺はいったい誰なのか」「あの人は自分が何者かわからないのでしょうね」「誰が誰だかわからない」という"世にも不思議な世界"に入り込んでいく。カミュの「異邦人」や、コリン・ウイルソンの「アウトサイダー」など、私たちの世代の青春時代の"あの世界"が伏線として提示される。

実在と意識。「意識というのは個人の神経電位や化学反応だけではなく、それらを含めた人体付近の環境全体によって形成されているんだ。そして人体というのは、周囲の環境と情報をやり取りしている発信機であり、受信機なんだ。意識はそれらの情報を総合して形作られている。・・・・・・自分を自分だと思っている<自分>の中には、人体としては別人の、たとえばあなたの意識活動から漏れている信号も含まれている」「死にたくはないが死ななくてはならない。この矛盾状態を破るために、おれは、自分の死を自分で確かめることができないなどというのは我慢ならない、死んでも自分の死体を見届けてやると、そう強く念じたんだ。すると、首にロープを巻かれ、目隠しをされた自分の姿が、見えた」

あまり接したことのない心奥を突き刺してくる長編小説だが、最後まで迫り、ほんろうされる。

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プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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