現代哲学の最前線  仲正昌樹著.jpg現代哲学の最前線はどういう論議になっているか。最もホットな哲学研究の5つのテーマ――正義論、承認論、自然主義、心の哲学、新しい実在論を取り上げ、議論の状況を概観。哲学史や社会背景の説明を最低限に抑え、哲学者の関心をもっているエッセンスを整理、解説する。

ロールズ、サンデルからデネット、サール、ローティ、デリダ、メイヤスー、マルクス・ガブリエルまで、5つの「問い」と論争の構図を示す。デカルトの「心身二元論」、カント以来の「道徳哲学」「相関主義」はその源流に位置するが、人類の思索の歴史の壮大さと、それらの人間存在の根本的なテーマが、今なお激しく動いていることに改めて驚きを感ずるほどだ。

「正義論――公正な社会はいかにして根拠づけられるのか?」――「ロールズの第1原理は、基本的諸自由を最大限に保障するための制度的枠組みを各人に平等に保障する(第2原理は、社会経済的不平等を許容する条件を定めるもの)」「サンデルは、国家というのは、文字通りに中立的ではなく『善に対する正の優位(先行性)』は厳密には成り立っていないという」・・・・・・。「承認論――我々はどのように『他者』と認め合えるか?」――「哲学的な『承認』論は、我々が"普遍的な合理性を備えた自律した主体"になるには・・・・・・どういう条件をクリアすべきか、という前提に関わってくる。他者からの『承認』が必要というのが承認論者の考えである」「理性的思考の限界と無意識」「理性偏重の哲学と反『主体』哲学の架橋」・・・・・・。「自然主義――自由意志は幻想にすぎないのか?」――「理系的・自然科学的な方法、物理的因果法則を文系分野にも還元できる(自然主義)のか、人間の行動に固有の法則が存在するのか」・・・・・・。

「心の哲学――心はどこまで説明可能か?」――「心の哲学では、認知科学や心理学、生物学の成果を取り入れて、心を物理的に説明可能な現象として捉えようとする物理主義の傾向が強い」「心や意識があるかないかの境界線はかなり曖昧である」・・・・・・。「新しい実在論――存在することをなぜ問い直すのか?」――「前近代の実在論は、神やイデアのような"究極の実在"に関係づけることで諸事物の『実在』を証明しようとしたが、『思弁的実在論』や『新実在論』は主体による認識によって左右されることのない、否定しがたい『実在』があることを、哲学的な『思弁』を通じて明らかにする試みということになる」「ガブリエルの新実在論の2つの柱、『意味の場』と『世界』(スーパーマンやアンパンマンも、物語という"意味の場"に現われ、"意味の場"は"世界"という究極の"意味の場"に現われているのだから『存在している』といえる)」「新実存主義――歴史的に形成された概念としての精神に焦点を当てて、人間の行為を明らかにしようとする」・・・・・・。

「あとがき」で仲正氏は、「今まで全然分からなかった"哲学"が、急に『したたかに生きるための知恵』に思えてきたら要注意だ。そういう時こそ、なかなか理解させてくれない、身体的に拒否感を覚えるような、手ごわいテキストを読むべきだ」と結ぶ。これこそ現代哲学の最前線ということだろう。


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通常時には公園として賑わい、災害時には区民の生命を守る防災公園が完成――。14日、雲一つない晴天のなか、豊島区東池袋にこのほど完成した「としまみどりの防災公園(イケ・サンパーク)」で防災機能展示会が行われ、参加・挨拶しました。高野之夫豊島区長をはじめ、多くの関係者が出席。公明党からも、岡本三成衆院議員、長橋けいいち都議、区議団が参加しました。

同公園は、区内最大の17,000平方メートルで、ヘリポート設備や、深井戸設備(地下約200mの深さから一分間に約2000Lの地下水のくみ上げが可能)、応急給水槽、防災倉庫、災害時用トイレなど、多くの防災機能を備えています。

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この日、ヘリの離着陸訓練、深井戸の地下水を利用した放水訓練、緊急時に区民に配布する給水の実演等が行われました。

私は、「災害が激甚化・広域化するなか、これだけ多くの防災機能をもった広い公園ができたことは画期的であり、素晴らしいことだ」「『自助・共助・公助』に加えて、隣近所で助け合う『近助』も大事である」と挨拶し、消防団の皆様をはじめとする、日頃から防災にご尽力くださっている方々に感謝の言葉を述べました。

15日、北区の「日本舞踊の会」が行われ、参加・挨拶しました。また岡本三成衆院議員とともに街頭演説を行いました。

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植物はなぜ毒があるのか.jpg「草・木・花のしたたかな生存戦略」が副題。植物は、地球上のすべての動物の食糧を賄っているが、動物に食べ尽くされたら植物も動物も生きていけない。その工夫の一つが「有毒な物質を身につける」ことだ。その毒が殺菌剤にも殺虫剤にもなり、また病気を治す薬ともなる。植物のしたたかな生存戦略、人間との共生・共存が示される。

「ジャガイモによる食中毒は毎年学校で起こっている(ソラニン)」「ジャガイモの食用部分は、根ではなく、肥大した茎」「ニラにそっくりなスイセンに要注意」「人が亡くなることもあるイヌサフランの毒」「カンピョウの原材料、ユウガオで食中毒」「トリカブトとフグの毒の働きは逆で、ともに猛毒」「アジサイの葉っぱには毒がある」「ビワのタネは食べてはいけない」「スズランの茎を口に咥えてはいけない」・・・・・・。

人間以外の生き物に毒になる物質――。「ジョチュウギク(除虫菊)と渦巻き型蚊取り線香」「クスノキの葉っぱから出る香りはショウノウ(樟脳)という成分」「スギとクスノキは舟に、マキは棺に、ヒノキは宮殿に(抗菌性、耐久性、防虫性)」・・・・・・。

毒が薬になる――。「八味地黄丸は地黄(アカヤジオウの根)とともに、一部トリカブトの根の附子が使われる」「マラリアの治療薬にクソニンジン」「ヤナギの成分からアスピリン。アスピリンを鎮痛薬として継続的に飲んでいる人は、脳梗塞や心筋梗塞の発症率が低い」「長寿にもダイエットにも良いコーヒー」「心臓を守るグレープフルーツ」「花粉症を和らげる『じゃばら』『緑茶』(北山村じゃばらと宇治産のべにふうき)」・・・・・・。しかし反対に薬を無効にしてしまう植物も――。「血圧を下げる薬が効かないグレープフルーツ」「納豆とワーファリンの食べ合わせ」「キャベツもビタミンKが含まれており、ワーファリンとは反対でぶつかる」「長寿・健康の植物――ダイズ、ニンニク、オリーブ、ウコン」・・・・・・。

改めて身近な確かな知識を確認し、面白く知ることができた。


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12日、住宅生産団体連合会の竹中宜雄副会長(ミサワホーム会長)、市川晃副会長(住友林業会長)、小田広昭専務理事などから「令和3年度住宅土地関係予算・税制改正・景気回復に向けた経済対策」の要望を受けました。

住団連からは、「コロナ禍で住宅業界は深刻な打撃を受けている」「住宅は裾野が広く、経済再生への大きな力となる」等の報告があり、来年度の予算・税制改正について、「住宅ローン減税の拡充」「住宅取得資金等に係る贈与税非課税枠の拡大」「新しい生活様式ポイント制度の創設」などの要望がありました。

コロナ禍で経済がダメージを受けており、影響のある住宅政策にしっかり取り組んでいきます。


412sFvYXv3L__SX336_BO1,204,203,200_.jpg"いい話"が続く。最後はドンデン返しのようでいて、暗黒から突き抜け、次元の異なる感動的な"いい話"で着地する。第一章「垣見五郎兵衛の握手会」から最終章「美しい人生」までの8つの連作短編。なつかしい映画の場面が現われ、流れる。

堀尾葉介――。顔もスタイルも抜群で、アイドル時代は圧倒的な人気を博す。俳優に転身した後は、演技力を磨き、数々の映画賞を獲った実力派の国民的俳優。真摯で誠実な人柄で誰もが称賛される好感度抜群の男だ。

各章で登場するのは、仕事も結婚も順風満帆ではなく不器用に生き暗い過去を抱える人々だが、いずれもある場面で堀尾葉介にかかわり、交差する。そこから人生が変わったり、アンビバレントな感情を引きずったりもする。「だし巻きとマックィーンのアランセーター」「ひょうたん池のレッド・オクトーバー」「レプリカントとよもぎのお守り」「真空管と女王陛下のカーボーイ」「炭焼き男とシャワーカーテリング」「ジャックダニエルと春の船」・・・・・・。いずれも"いい話"。題名にある激しい「雨」の日に「涙」を流す出来事は印象的だ。抱え込んだわだかまりが、「人との出会い」「雨」「涙」でふっ切れ、人生を肯定的に描いているのが心持良い。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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