話題を呼んだ間取りミステリー「変な家」の第二弾。フリーライターの「筆者」と、その知人である設計士の栗原のコンビが謎に挑む。
間取りが変な家の話が11続く。「行先のない廊下(事故があって玄関を変えた)」「闇をはぐくむ家(津原少年と母親、祖母、弟の刺殺)」「林の中の水車小屋(古い書物からの抜粋)」「ネズミ捕りの家(お祖母さんを事故に遭わせるために造られた家なのか)」「そこにあった事故物件(長野県下條村)」「再生の館(長野県西部に施設を所有しているカルト教団、聖母は片腕片脚)」「おじさんの家(愛知県一宮市のアパートで、虐待を受け栄養失調などで死んだ少年の日記)」「部屋をつなぐ糸電話(父娘の糸電話、直後に隣の家で火災が起き両親死亡)」「殺人現場へ向かう足音(火災で両親をなくした松江弘樹さんの話)」「逃げられないアパート(山梨県の山間部に建つ『置棟』という売春施設)」「一度だけ現れた部屋(扉を引っ張ると小さな部屋があったのだが・・・・・・)」・・・・・・。
筆者と栗原は、11の話に奇妙な「つながり」のあることに気づいていく。「これらの出来事は、かつて長野県西部に存在した宗教施設「再生の館」を中心として起きている。この施設が、すべての根源・・・・・・『核』と考えるべきでしょう」と栗原は言う。片腕片脚の聖母、それを形取った建物を造る建築会社「ヒクラハウス」の社長(会長)・・・・・・。ドロドロした愛憎、不倫、憎しみ、復讐など、業火に焼かれる人間の行き着く先に「変な家」がある。謎の解明に引き込まれる。