火災、水害、様々な事故・・・・・・地域を守る消防士の戦いと葛藤を描く生々しい物語。東日本大震災でも消防士・消防団が身を挺して戦い、何人もの消防関係者が犠牲となった。
北の海に流れる瑞乃川の左右に広がる瑞乃町を守る瑞乃消防署に勤務する秋月龍朗。「俺にとって仕事といえば、体を鍛え、装備を点検し、車両を運転し、現場で救助や消火活動を行う」というまさに現場の最高の消防士だった。5年前の大洪水で、町は濁流にのまれ、妻・薫の両親まで失った。「来るな! 私たちは後でいい。君は私たち以外を助けるんだ! 皆を助けろ!」――その叫び声は、悔恨となり、心に癒えない傷跡となっている。
幼少期の火遊びをヘて消防士を目指した男は現場で常に救助の先頭に立ってきた。しかし急遽、指令室の司令補を命じられ、慣れない事務作業。「はい、こちら119番、火事ですか救急ですか」の電話対応とパソコンの操作だ。チームを組む4人。立石順平、三田夢菜、樋口祐樹。仕事をすると1秒もおろそかにできない要であることを実感していく。声だけで状況を察知し、的確に指導しながら救急車等を出動させる。事務作業に戸惑いながらも、現場を知ってるが故に、より的確な指示ができることを実感していく。
「あなたたちに会えてよかった。ずっと頭からあの子たちのことが離れなかったけれど、今日は痛みが和らぐような気持ちよ・・・・・・。幸せな気持ちになれる日もあるのね。あなたたちが命をかけて向かってくれたことが、答えだったのかもしれない。言葉よりも大事な行いがある」「どうしようもない状況でした。入ったときには、誰も助けられませんでした」「家族の誰も、あなたを責めてない。私も、子供たちも、お父さんやお母さんだって、そんなこと思ってないはずよ」「あなたは、私たちの町の英雄よ。涙を拭いて。竜神様に笑われちゃうよ・・・・・・。(また、5年前までのように、明るく元気に過ごしてくれますように 薫)」「人がなぜ手を合わせ、目を閉じるのか。生きることが、その瞬間の中にあるからだ」・・・・・・。
「馬鹿みたいに優しくあれ」・・・・・・。炎と衝撃波が向かって飛んでくるフラッシュオーバーの現場突入。子犬を助ける水害の現場。肉親を失う大洪水の現場。消防士を深く理解し支えようと努める家族。現場の安全と安心は、生死の境界に立ち、昼夜を分かたず献身する現場の人によって守られている。
