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インフラメンテの新手法「群マネ」で効率化

2026年5月13日

分野・自治体の枠越え対応
老朽化、担い手不足の克服めざす

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 全国でインフラが老朽化する中で、維持管理(メンテナンス)の担い手は不足している。この現状の克服へ、国土交通省は分野や自治体の枠を越え、効率的に対応する新手法「地域インフラ群再生戦略マネジメント」(群マネ)を進めている。具体例を紹介し、政策研究大学院大学の家田仁名誉教授に意義などを聞いた。

 現在、高度経済成長期に集中的に整備された道路や橋、上下水道などが、一斉に耐用年数を迎えつつある。建設後50年以上経過する道路橋は2040年度には全体の75%を占めると推計される。にもかかわらず、維持管理を担う市区町村の土木技術系職員は、直近の約30年間で26%減少している。

 こうした中で、進められているのが「群マネ」だ。従来は「自治体ごと」「分野ごと」にそれぞれ維持管理が行われてきたが、群マネではそうした"垣根"を取り払い、「複数の自治体」や「多分野」の維持管理業務を一つの「群」として捉えて進めていく。

 広域・多分野の「地域インフラ群」に対して、①発注者の自治体②受注者の事業者③双方に所属する技術者――の三者がタッグを組んで束となり、スケールメリットや創意工夫を発揮することで、メンテナンス業務の効率化を図る。

■公明推進の「予防保全型」を加速

 公明党は、インフラの破損が進む前に補修して維持管理費用の縮減につなげる「予防保全型メンテナンス」への転換を強力に推進しており、群マネはそれを加速させる取り組みとして期待される。

■複数企業がJV、市と連携/新潟・三条市

 多分野連携による群マネを進めるのが新潟県三条市。24年度から市内を4区域に分け、道路や公園、水路などの、巡回・修繕業務を5年契約で民間の共同企業体(JV)に委託している。

 市北部の嵐北・大島地区では、市内の建設や電気工事、造園の会社に、マネジメント支援や人工知能(AI)による業務効率化を担う市外のコンサルタント会社も加わった、民間7社でJVを結成。費用が130万円未満の案件については、判断や作業がJVに一任されている。

 昨年度は巡回中に1930件の確認・対応業務を行った。JVをまとめる地元建設業の小海明広さんは「たまたま見つけた道路の小さな穴などであれば、市に判断を仰がずにその場で作業できるので素早く対応可能だ」と話す。市建設課の滝口靖浩課長補佐は「群マネの取り組みによる市業務の縮減は年間約14人の職員数に相当し、政策立案などに集中できるようになった」と成果を強調する。

■市町村の業務を一括発注/奈良県

 技術系職員が不在、もしくは少数の市町村が多い奈良県は、県による市町村支援、市町村間の連携・協働を図る「奈良モデル」を進めてきた。

 県が市町村業務を受託し事業者に一括発注する「垂直補完」と、県が調整の場を提供して複数市町村が業務を共同で発注する「水平補完」を組み合わせて効率的なインフラ整備を進める取り組みを10年から始めた【図参照】。その結果、例えば、19~23年に実施された橋の定期点検では、修繕の「着手済」「作業完了」の施設の割合が24年度末で全国平均よりも10ポイント以上高かった。

 こうした連携を進める中で、県がめざすのが技術系職員不足の打開だ。橋や道路などの補修設計業務では、市町村職員が県土木事務所で県職員と一緒に工事の発注、現場監督、検査などの実務を経験しながら技術力向上を図る。県道路マネジメント課の浜本雄司課長は「取り組みを進める中で技術系職員が育ち、自立してインフラ整備をできる市町村も増えてきた」と語る。

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■技術系人材の育成も/政策研究大学院大学 家田仁名誉教授

 群マネには、複数自治体が連携する"発注側"の群マネと業者がJVを結成するといった"受注側"の群マネがあるが、それらを通じて官民の技術系人材が育っていくという"人"の群マネの意義も強調したい。

 担当者が数人という小単位で業務をしていては、人を育てる余力も生まれにくい。単位が大きくなれば、その余力も生じ、ノウハウも形成しやすい。インフラを持続可能にしていく上で重要だ。

 12年の中央自動車道・笹子トンネル(山梨県)天井崩落事故をきっかけに、先頭に立ち、13年を「社会資本メンテナンス元年」として対策を進めてくれたのが公明党の太田昭宏国交相(当時)だ。

 ぜひ公明党の地方議員には、住民のインフラへの関心を高めながら、安全安心のための事業が抜かりなく進むよう取り組んでほしい。

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