だから日本は世界から尊敬される.jpg

サンマリノ共和国特命全権大使のマンリオ・カデロ氏は、駐日大使の代表である「駐日外交団長」の重責を務める。1975年に来日して約40年、日本の文化を外国人の目から分析。「なぜ日本人は日本の魅力を知らないのか」「日本がいかに素晴らしい伝統、文化、精神性を持つ、世界から憧憬の眼差しを向けられていることを日本人に自覚してほしい」「日本は戦後の荒廃の中から不死鳥のごとく蘇り、世界のトップに比肩するまでに駆け上がった。しかも、近隣のアジア諸国を様々な方法で支援してきた」「日本人は、礼儀正しく、環境に優しく、平和的な民族だ。きれい好きで周囲に迷惑をかけない、慎ましい国民だ」などを、さまざまな例を示して語る。


冒頭と第4章に16世紀後半、九州のキリシタン大名がローマに派遣した伊東マンショらの「天正遣欧少年使節」が紹介される。時は「大航海時代」。長崎の港を出港したのが天正10年2月20日、まさに本能寺の変のあった年だ。ルネッサンス文化と遭遇し、羅針盤、火薬、印刷機の発明発見に立ち会い、地図や航海図、地球儀、測量機械、時計、楽器、建築、美術を伝え、「コロンブスやマルコ・ポーロよりも凄い大偉業だ」という。しかも、伊東マンショたちのみならず、伊達政宗が主宰した「支倉常長らの慶長遣欧使節団」や豊後のペトロ・カスイ・岐部らの勇敢・強さへの感動を語る。


19950120 阪神淡路①.jpg   19950128 神戸で救援活動①.jpg

阪神・淡路大震災から20年、東日本大震災から3年10か月が経過しました。改めて、防災・減災対策に力を入れていくことを決意しています。


私はこの20年、防災・減災対策の先頭に立って取り組んできました。阪神・淡路大震災のときも、その後の新潟県中越地震や岩手・宮城内陸地震などのときも、大地震が起こるたびに、その日かその翌日には被災地に入り、現場から政府に支援を求め、対策を訴えてきました。


阪神・淡路大震災当時は、じつは地震計すら十分整備されていませんでした。私が土木工学科で耐震工学を専攻したこともあり、観測体制の充実を国会の場で訴え続けた結果、地震計やGPSなどの整備が格段に強化されました。


また、住宅・建築物やインフラの耐震化にも力を入れてきました。とくに学校の耐震化です。20年前はデータさえない状況でした。私は国会等の場でその必要性を訴え続けてきましたが、ついに昨年、93%までもってくることができました。今は非構造部材への対策に力を入れています。


被災者の生活再建支援では、非常に限定されたことしかできなかった被災者生活再建支援法。その拡充を公明党(赤羽一嘉衆議院議員など)の努力で実現しました。


私は2年前に国土交通大臣に就任以降も、命を守るための「防災・減災、老朽化対策、メンテナンス、耐震化」を柱に進めています。とくに地震対策については、津波対策や、切迫する首都直下地震、南海トラフ巨大地震への対策を具体的に進めています。


20年前の震災で自宅が全壊した被災体験を持ち、東日本大震災後は内閣府復興構想会議議長を務めた五百旗頭真(いおきべまこと)氏は、「災害が頻発するこの国で、"明日は我が身"との助け合いの精神が広く行き渡り、防災・減災対策が国を挙げての最重要政策の一つに押し上げられることを望みたい」と述べています。全く同感です。これからも、防災・減災対策の先頭に立って頑張っていきます。

(写真は1995年、神戸で)
①橋梁倒壊(阪神高速 3号神戸線).jpgのサムネイル画像


哲おじさんと学くん.jpg

表題からすると子どもに哲学を語るように思われるが、解説書などではない。哲学そのものを真正面から示す哲学書だ。


「本当の重要な問題は現在諸科学が扱っているような問題ではない。例えば、一回しかないこの人生とはそもそも何であり、それをどのように生きるべきなのか、という問題こそ重要だろう。科学はそれに答えず、宗教がそれに答えるが、残念ながら宗教の主張することは嘘(根拠なき独断、作り話)だ」「生の苦しみを無くし生に意味を与えるために作り出されたその種の作り話を、どんな種類のものであれ一切認めないというのが、宗教と対立する側面での哲学の根本前提なのだ(哲学は、祈りを拒否する祈りだ)」――。宗教と科学のみならず、宗教との違いを述べる。「常識や教義によって独断的に答えたくなるようなところで、どこまでも論理的に、理詰めに考えていくことが最も価値ある行為であるという信仰」、それが哲学だという。通俗的思考に堕すのではない、哲学に固有の議論の仕方を随伴して示してくれる。


「君の人生は一回性の、他と比較不可能な、無理由になぜか存在しているだけのもので、それが何であるかは決して分からない何かなのだから、他とも比較可能な意味での幸福な人生など求めたりしたら、台無しになってしまう。・・・・・・人生は、本質的に空しく、根本的にその意味が分からないという意味で無意味なものだからだ。それが本質なのだから、それを味わい尽くしたほうが、生まれて生きた甲斐があるというものではないか」――。世界、生命、実存の究極に妥協なく迫る哲学の深淵にふれさせてもらった。


新幹線開業前倒し①.jpg   新幹線開業前倒し②.jpg

今年3月14日に北陸新幹線が金沢まで開業。北海道新幹線では、来年3月までには新幹線が青函トンネルを越え、新函館北斗までの開業が実現します。それ以降の整備新幹線の延伸をどうするか――。


「3ルートの開業前倒し」という強い要望を受け、14日に政府・与党整備新幹線検討委員会が開催され、(1)北海道新幹線の新函館北斗-札幌間の開業を2035年度から30年度に前倒し(2)北陸新幹線の金沢-敦賀間の開業を2025年度から22年度に前倒し(3)九州新幹線の武雄温泉-長崎間の開業を2022年度から可能な限り前倒し--を決定しました。


大変なのは、財源と技術。課題であった財源については、今回前倒しを決定した3区間の、開業後発生する貸付料の前倒しなど様々な工夫により、必要な約340億円の財源のうち国費を35億円まで圧縮し確保しました。また、必要となる費用は、将来的にあらかじめ予定されていたものを前倒しし、早期かつ集中的に投資を行うもので、新たな負担を生じるものではありません。


技術上の問題については、既に金沢や新函館北斗までの開業で突貫工事が行われていることもあり、土地の取得、橋梁、トンネル、電気設備など困難も多々あります。


私は委員会終了後の会見で「開業の目標年次を明確に示したので、それが達成できるよう最大限に努力したい」と述べました。


新幹線は、地域間の移動時間を短縮し、観光客の増加や企業立地の進展を促すなど、人の流れを大きく変え、地域社会の活性化や地方の創生にも大きな効果をもたらします。


地元は喜びに沸いています。決定後、関係の知事さんからお礼の電話などが相次ぎました。実現めざし、落ち着いて、着実に進めていきます。


鬼はもとより.jpg

槍働きが生きていた慶長から150年が経った宝暦の、最大の敵は貧しさだ。その敵と戦いうるのは、死と寄り添う武家しかありえない。己の死に場処は御馬廻りではなく、藩札掛にあると信じた――。


カネも気力もなくなった東北の極貧の小藩の経済の立て直しに挑む家老・梶原清明と、それを助ける藩札万指南の奥脇抄一郎。鬼となることを覚悟する清明。


「己の軀を死の淵に投げ出すことで清明は鬼になる。だから常に、一人でいなければならない。(護衛に囲まれていては、清明は鬼になれないのだ)この男は執政に就いてからずっと、死と生の際を歩み続けている」「誰よりも鬼には向かぬ者が、誰よりも厳然と鬼をやっている」「自分の父に死を命じ、多くの藩士の禄を剥ぎ取り、そして国の礎である百姓の血を流させた」・・・・・・。


鬼となって極貧の国を救う――。覚悟、命懸けで初めて事は成ずる。命に迫る素晴らしい直木賞候補作。同じ直木賞候補作に万城目学氏の「悟浄出立」があるが、これも「悟浄出立」「父司馬遷」など読みごたえがある。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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