saitekinou.jpg6つの脳内物質で人生を変える」が副題。この情報過多、人間関係が軋み、複雑な社会構造のストレス社会――。振り回されたり、落ち込んだり、人間関係に悩みやることなすことが空回りしたり、自己嫌悪に陥ったり・・・・・・。加えて運動不足、魅力的なファーストフードや砂糖が溢れ、タイパ・コスパの刺激を求める社会が加速する。どうするか。それは脳を変えればうまくいく。ドーパミン、オキシトシン、セロトニン、コルチゾール、エンドルフィン、テストステロンの6つの脳内物質の組み合わせを自分で決めれば、人生を少し楽にできる。極めて率直に具体的に説明する。

まずは「ドーパミン」――。「やる気ホルモン」だ。これには「クイック・ドーパミン」があるが、これは「チョコレートを食べたり、だらだらスマホを見たり、ポテトチップスを食べたりすると出るが、長期的には役に立たない」「ドーパミン源を重ねるのを避けて分割すべき」と言う。大事なのは、今の自分や未来の自分に役立つ「スロー・ドーパミン」だ。「新しいことを学ぶ、読書をする、運動をする、クリエイティブな活動をする、人と会う、挑戦を厄介事ではなく成長の機会として捉える」「クイック・ドーパミンを減らすことで、スロー・ドーパミンへの自然な欲求は戻ってくる」と言い、ドーパミンは『エンジン』であることを示す。

「オキシトシン」――。「愛情ホルモン」だ。得られるのは親近感、調和、信頼、思いやり、連帯感、寛容さなど。「人と触れ合うことで<天使のカクテル>の質を上げるには、誰かのそばにいる、友人と会う、親密になる、ハグをする、手を握る、マッサージをする」「見つめ合う」「感謝をする」などでオキシトシンが作られる。

「セロトニン」――。「幸せホルモン」だ。脳の興奮を抑え、心身をリラックスさせる。「セロトニンは明確に社会的地位と関係している。高い地位にある人は、セロトニンが多く、心の調和が取れていて、ストレスが少なく健康でもある。必要なものは手に入るし、地位も安泰だと感じられるからだ」と言っている。セロトニンのおかげで、満足感、安定感、それに何かを常に追いかけているという必要がない心の余裕が生まれる。そのセロトニンを得るためには「自分自身を愛し、ねぎらい、間違えても自分を責めない。自尊心を鍛えること」「日光を浴びること」「食べること(体内のセロトニンの9095%が胃腸の中にある) (迷走神経は胃腸に関係する)」「運動して、食べて眠って、瞑想する」ことが大切になる。

「コルチゾール」――「ストレスホルモン」だ。心身がストレスを受けると、急激に副腎皮質から分泌される。「少量の一時的なストレスなら、むしろ健全で素晴らしいものだ。新しいことに挑戦し、ドキドキするようなことをやる。日常の外に出ると、学びも得られる」。しかし、重いストレスに長期間さらされることは避けたいので、「思考パターンを断ち切り、瞑想し、激しすぎない運動をし、自分の思い込みを見直す」が大事と言う。

「エンドルフィン」――。「体内モルヒネホルモン、脳内麻薬ホルモン」だ。食欲、睡眠欲、生存欲、本能が満足すると分泌される。高揚感を得て笑顔で過ごすことになる。「笑顔はエンドルフィンだけでなく、セロトニンやドーパミンも放出する」「笑い声をあげる」「運動、音楽、ダンス、冷水浴が良い」。

「テストステロン」――。「男性ホルモンの中心」だ。骨格や筋肉量、体毛など男らしい身体、生殖機能の増大などをもたらし、自信と勝利を手にすることになる。行動を強める頼もしい脳内物質だ。「ゲームで勝つ、音楽を聴く、自信をつける、外向的になる、攻撃性を高める」から生まれる。

そして、これらを連関させることが必要だが、特に「睡眠」「食生活」「運動」「瞑想」の4つが大事だ。

薬に頼ることなく、自らの脳内物質を増減させて、自分の脳を最適化し、人生を変える――。複雑さを取り払い一直線に、しかも具体的にわかりやすく訴えている。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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