sakuragatittemo.jpg帯に「森沢文学の真髄!心が静かに癒される、珠玉の家族小説」とあるが、全くその通り。いい話。

離婚し家族を捨てた父。不器用ながらまっすぐに生きた父。「あばら家。変わり果てた父の容貌。どう見ても粗衣粗食を思わせるのに、毎月、うちに送金してくれていたという事実。綺麗にしていた生垣。そして、あの裏庭----」。父を密かに思う息子と娘。心を閉ざす母----。家の壁に貼られた写真、半生をかけて植林した桜、そして一面に咲く紫花菜----。別れて30年、時を隔てて父の家族への愛を知って、心の澱が消えてゆくのだった。

東京の業界最大手の建設会社に勤める山川忠彦。趣味は釣りで週末を美しい自然の桑畑村で過ごすようになる。そこで知り合った檜山浩之と親友になり、村の人々は温かい。

ある日、浩之から電話があり桑畑村でリゾート開発が進んでおり、しかも進めているのが忠彦の建設会社だと言う。驚いた忠彦は桑畑村に向かうが、大変な事故に遭遇する。山が大暴落を起こしたのだ。その事故を目撃したショックで忠彦は失語症になり、精神状態も安定しなくなる。次第に夫婦の感情のすれ違い、亀裂が大きくなって離婚。家を出た忠彦は桑畑村へ行く。

そして30年――。檜山から連絡があり、忠彦が亡くなったと言う。揺れる家族の心・・・・・・

不器用ながら、まっすぐに生きた男と、家族の絆を描いた感動作。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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