roukahanao.jpg「健康寿命を延ばす実践的アンチエイジング論」が副題。後期高齢者になって医療機関で受診すると「加齢が一番の原因ですね」と言われることが多い。その通りだろうが、そう言われてもと思う心がある。「若返りたい」とは思わないが、薬を減らし、健康寿命を延ばしたいわけだ。本書は、「この10年間で、老化に関する研究は飛躍的に進んでいる」「今や老化は戻すことのできない不可逆現象、あきらめなければいけない状態ではなくなっている」「老化は『治る』時代に入っている」と言う。

「老化に関わる12の特徴」――「ゲノム不安定性」「テロメア短縮」「エピジェネティックな変化(遺伝子の発現が変化)」「タンパク質恒常性喪失」「オートファジーの無効化(細胞のリサイクルシステムが停止)」「6   栄養感知の制御不能(食べたい飲みたいの衝動を抑えられない)」「ミトコンドリア機能不全(ミトコンドリアはエネルギー産生工場)」「細胞の老化」「幹細胞の枯渇」「10  細胞コミニケーションの変化」「11  慢性炎症」「12  腸内細菌叢の異常」の12項目が挙げられる。これらを正していくことができれば、老化の改善が可能になる。これらは互いに関連しているが、この改善ができれば、「老化は治療と予防ができる」「暦年齢は変えられないが、生物学的年齢は自分次第で変えることができる」と言うのだ。

そのために本書で主張しているのは、「加齢に伴い不足する根本的な栄養素を補い、老化に伴い発生する悪玉活性酸素を取り除くこと」。その3本の矢として「N MNサプリメント」「水素ガス吸入療法」「5− ALA (ファイブアラ)サプリメント」を挙げ解説する。

特に焦点は、細胞内に存在する小さな構造体(小器官)で、エネルギー産生の中心的な役割を担うミトコンドリア。身体に必要なエネルギーの約95%はミトコンドリアが作り出しており、日々摂取している酸素と栄養素を原料に膨大なエネルギー物質ATP(アデノシン三リン酸)を生み出す。これに異常が生じると私たちの細胞は老化する。しかも老化したミトコンドリアは、活性酸素種の発生量を増やす。ミトコンドリアの機能を向上させる成分が「NMN」。

そして体内で発生する活性酸素種のうち90%以上がミトコンドリア由来。脳内の活性酸素種を消去するとともに、ミトコンドリアを若返らせていくことが重要だと言う。そのために「水素ガス吸入療法」を推奨する。「水素は『悪玉活性酸素』のみを狙い撃つ」と言う。さらに日々のパフォーマンスを高める生命の根源物質「5− ALA」を解説している。 

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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