1762491324799.jpg「ミドルシニアのキャリア戦略」が副題。50歳から備え、70歳まで働く時代となっている。急激な人口減少・少子高齢社会となり、若手人材の確保が困難を極める。65歳までの雇用が原則で義務化された2013年とは労働市場は大きく変化、2021年の高年齢者雇用安定法改正により、企業は70歳までの就業確保に向けた努力が求められるようになっている。こうした中で、経験とスキルを持つ即戦力のミドルシニア層への期待が高まる。ミドルシニアの労働市場は大きく変わり始めているのだ。

現役時代、定年前後(50歳〜65)あたりのミドルシニア期、それ以降のシニア期----。ミドルシニア個人も、キャリアの再構築や、働き方の見直しを迫られているわけだが、その価値と役割の重要さを分析・解析している。

多くの企業で起きているのは現場のプレイヤーが足りないという問題。ミドルシニアの人材活用は、日本にとっても企業にとっても喫緊の課題だが、具体論になると難問山積。「ポストに限りがある」「年下上司の下で働くことの難しさ。双方の当惑や自信喪失」「定年後の再雇用における給与の大幅減額」「70歳までの定年延長となると人件費増大・経営圧迫」「65歳以降は、住宅ローン、教育費、税・社会保険料負担は減少するが、60歳前後のそれらの家計の負担はまだまだ大きい」----。定年前後のミドルシニアの心情は、昇進・昇格のチャンスはなく、年下上司の下での仕事、辞める勇気もなく、家族のために稼がなくてはならないと複雑だ。モチベーションが下がる。意識の変容とリスキリングが求められる。

「人事制度改革の方向性----再雇用制度か、定年延長制度か」――。目指すべき方向性は、報酬レンジの拡大と処遇の多様化。三菱UFJ銀行、カルビー、日本航空、スズキなどの実例が紹介される。これまでは、「定年後の一律の報酬減額と、定年後の補助的な業務」が基本的な特徴だったが、ミドルシニアにモチベーション高く働いてもらうためには、一律の給料減も、補助的な業務の考え方も変えなくてはならない。70歳雇用時代におけるマネージャーへの処方は『共通の目標を仲間として期待する』『ミドルシニア社員の貢献に応じた適正な報酬を支払う覚悟』であり、ミドルシニア社員は『自分らしく、選択して働く』ことだ」と言う。

会社員が中高年に差し掛かる時、まず検討すべきは、自社内において適切な処遇のもとで継続して働く道があるかどうか、他社で責任があるポジションにつくか、小さな仕事に移るか――。「定年後の選択肢を見つめ、準備を始めよう」と言う。

自分の能力に合わせて無理なく働き続けるミドルシニアが増えるとなれば、「自分らしい選択によって豊かに生きる」「ミドルシニアの力が日本経済を救う」ことになると背中を押す。全くその通りだと思う。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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