大学生を含む現在の若者たちを対象とし、彼らの抱える複雑で微妙な心理を解読する。例えば上司と若者。そこには「安定した安全・安心ライフを求める若者」と「主体的にリスクを取って行動してほしいと考える先輩・上司」がある。この綱引きにおいて、今の日本は「若者側の圧勝」となる。若者への配慮が積み重ねられお客様化していく。「そうやって、今の若者たちが『無敵化』している」「少子化で学校も会社も若者に至れり尽くせりで『無敵化』している」と言う。
今の若者は――。「横並び志向」「目立ちたくない」「良い子症候群」「チャレンジしないで安定志向(会社も最近は安定した会社が選ばれる)(初任給爆上げに飛びつかず、これから伸びる会社ではなく安定した会社が良い)」「自分の意見は言わない、先頭に立たない」「電話が鳴っても取らない」「転勤を示唆すると転職をほのめかす」「仕事の期限が来ても残業しない」「仕事よりも趣味を重視した生活を求めるマイペース(平社員のままで良い)」・・・・・・。自己評価は高いのだが、「日本の将来にも、自分の将来にも不安いっぱいで、それを打破しようにも、全く自分に自信がなく、ただただ拒否されることを恐れる若者の姿がある」と指摘する。
「なぜ、安定志向の若者たちは生まれたのか」――。バブル崩壊後の失われた時代に就職し働いた親世代、先輩世代は今の40代、50代。将来への不安から挑戦よりも安定路線を求めた。子育ても同じで、リスクを取らせず、失敗しないようにという大切な子を守ろうとする愛情が徹底した正解主義に変換される(何でも母親と相談してしまう正解主義の子どもたち)。チャレンジよりもまず自分を守ろうとする若者たちが作られた。
そして「気遣い世代の40、50代」と「鬼つよメンタルの20代」が形成される。「無敵の若者世代は、してもらい上手」となる。またキャンパス内でも、「男女の垣根はなくなっている」と考えがちだが、実態は逆。「講義室できっちり分かれる男子と女子」、そして「居心地が良いのは同性同士」「異性との交流そのものがリスク」だと言う。また「20代独身男性の39.8%は一度もデートした経験がない。20代男性の65.8%が妻も彼女もいない」――。「お金がないから、我慢している」のではなく、リスク要因を避けているとのことだ。結婚を出産も子供を持つこと自体がリスクと感じるとしたら、大変な社会になってしまっている。
1997年から生産年齢人口が減少になった。「安定志向の若者たち」「余計なこと、何もしない方が得な日本、おとなしくしている方が得をする日本」「部下を管理したい上司と消極的な部下との絶妙な均衡?」・・・・・・。「幸せかと聞かれれば、それなりに幸せだとは思うのだけど、どこか充実していないと感じている若者たち」・・・・・・。著者は「チャンスが来たら迷わず飛び込むこと」「友だちではなく仲間を」「インプットよりもアウトプットを」と若者に提案している。
