暴走老人.JPG突然、怒鳴り始めた老人に出会った人は確かに多い。老人の暴走というより、若者よりも老人がキレるようになったことをどう解釈するか。まさに藤原さんは「人と人とのかかわり方の根底的な変化」を社会分析する。自分自身ではないかと危機感をもった。

1つは「時間」――「待つこと」の耐性に欠ける大人の増加。待つことが苦手、せっかちで先を急ごうとする。待つことのトラブルの増加。待つことが当然だった社会が「待たされることに苛立つ社会」になった。時間帯・スケジュール・帯グラフ人生、どうものんびりと日向ぼっこするおだやかな老人でなくなっている。競争社会を猛烈にスケジュールで来た、しかも指導的立場にあった人がリタイアしてもその感覚は身体に染み込んでいる。自分の時間を奪われることへの怒り。音楽、スポーツ、読書、情報、新しい態度を身につけないと、時代不適性の新老人となる。そしてそれはIT社会から取り残され、焦りと孤独を生む。

2つめは「空間」――地域社会が非地域社会となり、孤独、家自体も個室化する。臭気の攻撃で社会を攻撃するゴミ屋敷、騒音に対するイラダチ、家庭に居場所がない。

3つめは「感情」――社会のマナー、常識のコードが日々更新され、順応できない老人は情動を爆発させる。患者や生徒は「お客様」で医師も教師もサービス業になってしまった。サービス社会では笑いも表情管理、労働となる。クレーム社会だ。


少子化克服への最終処方箋.JPG政府・企業・個人の連携による解決策、総力戦の必要性をいっている。この種の他の本と違うところがある。それは、国内そして諸外国を徹底して調査してきわめて現実的、具体的な方策を示していることだ。子どもを産みやすく、育てやすい環境を創造するために、企業のネットワークによる子育て支援サービス、生活塾。そして企業としてワーク・ライフ・バランス戦略は「海外の両立先進企業から学ぶ(両立支援はハイリターンの投資)」「中小企業から学ぶ(中小企業の職場環境は遅れているというのは誤り)」などを示す。育児休業を取得したとき、日本では「所得ロス」「キャリアロス」「業務知識ロス」の3つが生ずるが、欧米企業はそうでないことも示されている。


昭和の子供は青洟をたらしていた.JPG資生堂の役員・池田敏秀さんの11編の子供の頃、青春時代の思い出、逸話だ。団塊の世代。私のように戦後の田舎に暮らした者としては、あまりにもよくわかる話だが、私にはこんなドラマはない。それは田舎をずっと昔に離れて、京都に、東京にと住んだ者と、池田さんのように、千葉という東京に近い所で生活し続けている人の違いかもしれないが、それにしても大変なドラマがあるものだ。山本周五郎や浅田次郎の描く庶民の世界が、3丁目の夕日のような郷愁とともに見事に描かれている。題名が内容の良さを代弁していないと思うが・・・・・・。


二宮金次郎はなぜ薪を背負っているのか?.JPG猪瀬さんからいただき、すぐ読んだ。薪を背負った勤勉な少年、「手本は二宮金次郎」は、勤勉、倹約の人と固定化されるのは誤りであり、努力によって得た薪は換金商品であり、それが金融として展開する。すぐれた経営コンサルタント。人口増の右肩上がりの江戸前半と人口減少社会であり、財政難、道徳的退廃の江戸後半。その難しい江戸後半において「分度」の概念と効率化と余剰を活用していく金次郎の実務の強さが表現される。

人口減少社会、低成長時代における人と産業の配置は、全く違ったものであることを思い知らないといけない。財政再建を凝視し、そのうえで地方分権、そして高齢者の安心ライフスタイルの再配置。相当ダイナミックに変えなければ地域の活性化は難しい。


反転.JPG「日本社会の深く真っ暗い闇」というが、同世代の、しかも狂騒と暗躍のバブルの時代の政治とバブル紳士。すさまじい時代とすさまじい人生。エリートとアウトロー。しかし弱い人間、疎外される人間、気配りとその共感が180度も違う反転の人生を送ることになる。同じ時代を生きてきた者の1人としてあまりにも衝撃的だ。相当、マイルドに書いている気がするが・・・・・・。

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プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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