061019安倍政権の日本.jpg朝日新書が発刊され、興味深い何冊かが出版された。「自民党新政権」をテーマにして、新政権、安倍首相のポジションを複眼的にとらえた緊急ドキュメント。

渦中にいる私としては確認であったり、覚え書きのような面もあるし、広井良典、李鍾元氏との対談もいい。


迷走する家族.jpg戦後家族モデルは「大多数の男性労働者の職の安定、収入増」を前提として、「夫は仕事、妻は家事で豊かな生活をめざす」というモデルがつくられ、しかもこれが多くの人にとって実現可能であったがゆえに、家族の安定をもたらした。
しかし、それは今、「男性の職の不安定化」「戦後家族モデルの魅力が低下し、相当の努力を払ってまでして到達したいものでなくなった」

「欧米型平等モデル(夫婦がフルタイムで働き、経済的豊かさの中で、家事・育児を分担する)も、自己実現家族モデル(好きな相手と結婚し、好きな仕事をし、豊かに生活する)も、ともに魅力はあるが、実現可能性が不十分である(男女ともに職の不安定がある)」ことから迷走状態にある。家族に関しての閉塞感が出るゆえんだ。それは、本書第6章の「若者家族の空中分解」「勝ち組家族と勝ち負け先送り家族と負け組家族に分解」にも描かれる。

男女共同参画を進めても「勝ち、負け」は結婚を考えても出るし、「家族の絆を!」と叫んでもなんともならない社会全体の構造変化がある。最後に山田さんは、(1)若者の将来にわたる経済基盤の強化(2)社会制度から「漏れた」人々への支援プログラム(3)多元的で誰でも実現できる「家族モデル」の創造――を危機感をもって対策として訴える。


061006親と教師が日本を変える.jpg教育改革は今、全ての政治家といっていいほど皆の主張だ。私は「現場からの教育改革」を主張している。義務教育においては、学校・教師、地域、家庭のそれぞれ一歩前進改革。高校・大学は職業との関連や知のトップ・リーダーも含めた構造改革をと考えている。
本書では私の地元・足立新田高校を蘇生させた鈴木高弘氏をはじめ、実際に教育の現場で格闘している方々が、「教育の現場力を強化せよ!」と親と教師を元気にさせる手立てを具体的に提起している。同感だ。


060929おとなの小論文教室.jpg「ほぼ日刊イトイ新聞」の人気コラム。以前、「海馬」を読んだが、この本は小学校の同級生が薦めてくれたものだ。
私にとって「自分の表現」は最も大事だし、それは話し方とか技術などではなく、思索・思考の深さによると思ってきた。このところ、2つの点で考えなければならないことが提起されていると思う。1つはメディア政治(テレビ政治)、1つはネットを利用する年下の大人たちや若者の感性、そしてそのコミュニケーションがなぜ成り立ちにくくなっているかということだ。

「第3章 一人称がいない」は、ぐいっとそこに迫ってくる。人生相談のようにも見える。


オシムの言葉.jpgオシムの言葉には、ユーモアがあり、思想があり、したたかな戦略的読みがある。しかし、その底にはスラブの哀愁と多民族共存の良きサラエボが、生死をかけた戦乱の地となった悲しみが沈殿している。監督には孤独がついて回るが、オシムの独特さは、多民族国家ユーゴスラビアの崩壊と民族闘争、そして何十年前から続いている国家紛争で死線を歩いたいわば宗教的境地によってつくられたのではないのか。

「他人の評価や、メディアの賞賛に興味がない、反俗的な本質追求の人」というのは、生きてきた世界に当然、関係があろう。

「私のサラエボが戦争にあるのに、サッカーなどやっていられない」「選手を先入観で見ない。すべて平等に扱う」「サッカーの試合とは絶対一人では成立しない。君たちの人生も同じじゃないか」「休みから学ぶものはない」「重要なことはミスをして叱っても使い続けることだ。選手はミスを恐れてリスクを冒さなくなってしまう」――失点を恐れず走り回って攻め続ける「リスクを冒しても攻めろ」というオシムのサッカーは、悲しみを抱きしめて未来を切り開いたオシム氏の生き方なのか。

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プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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