1773020187344.jpgSNS選挙が政治を変える」が副題。2013年のネット選挙運動解禁から11年。20247月の東京都知事選の石丸旋風。選挙ボランティアを200人募ったところ、なんと1500人以上が応募してきたという。選挙参謀を務めた「選挙の神様」藤川晋之助さんは、「これは何かとんでもないことが起こるのではないか」と感じたと言う。この石丸旋風で原動力となったのは「切り抜き動画」。またこの選挙では奇想天外なポスター掲示板ジャックが起きる。そして衆議院選挙。さらに「兵庫県知事選で広がった闇」。2馬力選挙、誹謗中傷や嫌がらせが死者が出るほど登場した。そして昨年の都議会選挙、参議院選挙、今年の突如の1月解散総選挙。本書は、これら都知事選挙から昨年の参院選挙のそれぞれで行われたSNS選挙----何が行われたかを専門的に内側から分析する。

一気に広がったSNS選挙----。ネットは簡単に情報拡散できるが、偽情報が広がりやすい。誹謗中傷やデマの拡散は政治家だけでなく、家族にまで攻撃が及び、荒れた選挙の言論空間となる。「炎上ばかりの政治と選挙。正気を取り戻せ!」と帯にある通りだが、これからの選挙、そして民主主義に多大な影響を与えるSNSAIをどう取り扱うべきか――。ネットと選挙の健全なあり方を提示する。さらに当面は、「AIを操る人間の議員」が「AI議員」だが、やがて生身の人間議員を超える圧倒的な知識と情報量を持ち意思決定ができる「AI議員」が誕生するかもしれない。

著者のSNS選挙についての分析は、選挙プランナーとして選挙にどう勝つかということを超えて、「SNS選挙で起きる選挙の荒れた言論空間、誹謗中傷(うさ晴らしのような)を直すにはどうしたらいいか」「政治家は褒めて伸ばすもの。世間は政治家に対して厳しすぎないか。多少は打たれ強くとも政治家も人間だ。国家・国民のため本気で働いてくれる政治家を育てるにはどうしたらいいか」と、A I SNS時代の選挙と政治のあり方の問題提起をする。

選挙も政治も戦いであるがゆえに、どうしてもネット空間は攻撃的になり、誹謗中傷やデマが溢れがちになる。エコーチェンバー現象が連作し、フィルターバブルとなって視聴者の思考形成に影響を及ぼす。情報が溢れる中でのタイパ・コスパ、「推し」の時代の進行は、じっくりとした思考を奪う。「失われた30年の停滞」「安全保障環境の悪化」のイメージは不安と不満を助長し、メッセージが「『国家の危機』を匂わせるものであれば、支持は急速に拡大し先鋭化しやすい」し、「単純明快なメッセージを、いかに効果的に有権者に示すのか」が勝負となる。デジタル・ポピュリズム時代の選挙戦略、広報戦略はもっと研ぎ澄まされていくしかない。

高橋さんは、「インターネットが相手を叩き潰すための武器ではなく、より真っ当な政治家を選び育てていくための応援ツールとして活用される社会を想い描いていく」――そのための書であると願いを込めて言っている。 

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

太田あきひろホームページへ

カテゴリ一覧

最新記事一覧

月別アーカイブ

上へ