1781826470222.jpg「棺桶まで歩こう」とはびっくりするような表題。著者は外科医から在宅緩和ケア専門医となって17年、2000人以上の自宅の看取りに関わってきた。現在は自ら開設した「緩和ケア萬田診療所」の院長を務める。

「歩くスピードや歩幅で、その人の余命がほぼわかる。スタスタと歩ける人は、概ね10年以上生きられる。イスから腕の力を使わずに立ち上がれる方なら余命1年以上。立ち上がれない方は余命半年以内。ちょこちょことしか歩けない人は、余命数ヶ月、歩けない人は余命1ヵ月以内というところです」「人ががんが大きくなって死ぬのではなく、老いて弱って死ぬ。・・・・・・もっと生きたい? じゃあ、立ち上がろう、棺桶に入るまで歩こうよ」「入院すると歩かないから早く死ぬ。家に帰って歩こう」と言う。そして「人の寿命は歩幅と背筋でわかります」と背筋を伸ばして(体幹の持久力がある)、歩き座ることを勧める。

「タンパク質をとっている人は若々しく長生き。新しい細胞の原料はタンパク質。肉を食べている人は高齢でも若々しい」「歩くことにとって大事なのは筋肉ではなく『気力と根性』。『死ぬまで歩く』という目標を持った患者さんたちは、脳が元気になる。そして生き生きとして努力する」「筋肉が歩くには必要だが、大腿四頭筋という膝上の筋肉。この『立ち上がりの筋肉』を『貯筋』しよう」「1時間に10回立ち上がれば歩けます」「背筋を伸ばしてかっこよく座る」「大股でゆっくり、理想は早く歩こう」と言う。

「僕の仕事は『看取り』ではありません。患者とその家族が、自宅で穏やかに終末期を過ごせるようサポートするのが仕事です」と言っている。それは家族が「できるだけ死なないように」「医者が頑張れば頑張るほど、そして延命がうまくいけばうまくいくほど、患者本人の状態は辛く長くなる」と言う。だから「ピンピンコロリさせてくれない薬と救急車」「食べられなくなったら点滴もしないほうがいい」「我が家に帰る安心が一番の薬」「がんが大きくなっても歩けるなら死なない」と言う。

そして、「在宅緩和ケアが充実すれば、安心して一人で死ねます」「高齢になってから生活スタイルを変えることは死ぬよりも怖いこと。最後まで自宅で生きたいと思っている高齢者はたくさんおり、好んで一人暮らしをする方も少なくありません」「頼もしい訪問看護師、ヘルパー、ケアマネジャー、訪問薬剤師」などと語り、病院での終末期医療ではない「リビング・ウィル(治療しない意思を含む生前の意思)」の考え方を示している。

「歩けるうちは人は死なない」「歩けなくなるまでは人は死なない」「延命より満足を、治療より尊厳を」という選択を提唱している。 

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

太田あきひろホームページへ

カテゴリ一覧

最新記事一覧

月別アーカイブ

上へ