1783912216218.jpg「人生サボるが勝ち」が副題。立派で成功者の偉人伝が定番だが、成功の陰にあるサボリ、手抜きのいかにも人間味溢れる秘話が語られる。「窮屈な社会や生き方を緩める、23名の歴史人物をめぐる脱力エッセイ」集。ゆるい生き方、破天荒な人物もあり、愉快なエピソードが続く。

「頑張ってる感じが大事なフランクリン(勤勉であることよりも、勤勉に見えることが大切))「他人の才能を使いこなすジョブズ(ウォズが作ってジョブズが売る)」「サボるための発明・エジソン」「一攫千金を夢見て大損したニュートン(錬金術や投資に手を出した)」「ヒモのお作法・ マルクス(偉業の陰に常にエンゲルス)」――常識を逸脱した芸術家や実業家には、人間力が非常に高いパートナーが常に見え隠れする。

「何もしないことの効用・本田宗一郎(戦後1年、何もしないでブランクを作って考えた。長い人生、立ち止まって休むのも悪くない)」「成功は、メンタルが9割・高橋是清(何歳からでもやり直し。窮地に陥っても、自分にはいつか良い運が転換してくるものだと努力する前向きな人生)」「欠点を利点に変える再建屋・早川種三(人生寄り道、回り道だが、人脈の広さは凄かった)」「経営の神様・松下幸之助(みんながサボっても大丈夫な組織を作る)・・・・・・

「天才か狂人か・辻潤(谷崎、佐藤、北原白秋、萩原朔太郎など散々振り回された友人が守ってくれた。人生の生命線は友人たち))「才能は全てを解決する?石川啄木(繰り返す無断欠勤。結婚式もサボる。『はたらけど、はたらけど』どころか、『頑張りすぎないで、しんどい時は人に頼る、たかる』は異才が故に成立したこと)・・・・・・

24時間働いた末路・坂口安吾(異常な仕事量にはヒロポン・覚せい剤)」――現代を生き抜くために、適度にサボれと指摘している。「13時間労働の怠惰な人・梅崎春生(かなりの量の酒浸り。酒飲みの1日は短い)」「世捨て人たちのハローワーク・吉田兼好と鴨長明(いつの時代も『鴨の水かき』)」「労働の外に出る・ダーウィン(金持ちで親ガチャ大成功)、ケインズ(100年後には週15時間労働で労働から人々が解放されると言ったが・・・・・・)、ハラリ(Aiが仕事を代替する社会へ・・・・・・)」――働くことの意味の問い直しと、人生の時間をいかに楽しむかというサボりの選択。「サボりに意味はない・シオラン(本当に働かなかった男。サボることが、自分をどこに導いてくれるかはわからない)・・・・・・

天才、奇人、変人は別なんだろうが、偉人の脱力秘話は面白い。人生は一本道ではなく複線。回り道も大いに結構。どうなっても皆、前向き、知恵で生き抜いていることは共通しているようだ。 

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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