1785419017871.jpg「ルッキズムの科学」が副題。見た目で人を評価・差別するすることを揶揄する言葉の「ルッキズム」。外見主義、外見至上主義とも訳されるが、SNSなどメディア環境の変化、人権意識の高まりなどから、自分や他人の見た目を気にする意識は高まっているようだ。どうしても人は無自覚にルッキズムに陥りがちとなるが、容姿が人生を左右する残酷な現実を前に、どうすれば「見た目」の呪縛から逃れられるのか。顔研究の第一人者が、「顔に注目するのは人の性」で厄介なものだが、「外見を持つ人々の中身()のメカニズムの理解」の必要性を説き、「『見た目』ではなく、『見る目』を変えよう」とアドバイスする。

「見た目」の裏には、進化の過程で刻まれた生存本能と、発達の過程で学習する顔認知のメカニズムがある。ヒト以外の動物では表情は単純で、全身で表現する。人は顔で感情的なつながりを持つ。覆面をした人を目の前にすれば、「怖い!」という原始的な感情が湧き上がる。

この顔の学習は「生後7ヶ月」から劇的に始まると言う。生存本能に由来する。「人は600人程度の顔を、その名と共に思い出せる。芸能人やスポーツ選手や有名人を含め、4240人の顔を名前は思い出せなくても知っていると認識できる」と調査結果を示し、さらにネットの発達から現代人はさらに増加していると言う。そして、「似顔絵の極意は配置にあり」と、目・鼻・口の特徴ではなく、顔全体を覚えていると言う。

「異性にモテる魅力は、自分の遺伝子を残すための武器となる」「ひとつの基準で見る欧米人、全体で見る東アジア人」「『見返り美人』は成立しない」「『かわいい』好きは日本の特徴(未熟さやあどけなさを魅力とし、甘えを許す日本の文化」「顎から男女を区別するイギリス人、顎と眉で区別する日本人」・・・・・・

「顔研究と『優生思想』の危うい関係」――。「区別と差別は違う」「顔研究は常に差別と隣り合っている。過去の研究を常に反省しながら、歴史の痛みを知りつつ研究するのが顔研究の醍醐味」「先入観は間違うことが多い。私たちは、顔から性格を当てるのではなく、印象を当てようとする。性格は決定的なものだが、印象は変わりゆくもの」と言う。

「セルフイメージと『自意識』による囚われ」――。「公的自己意識と私的自己意識」「醜形恐怖症と摂食障害」「美しさの評価には揺らぎがある」「顔に眉があるのは生物の中でヒトだけ。眉は表情を作り上げ、感情を伝染させる効果的働き」・・・・・・。ないものねだりせずに自分の能力を把握し、現状から出発する。欠点をカバーし、長所を生かすことの大切さを言っている。

そして「見た目」ではなく、「見る目」の大事なこと、動きのある表情などの重要さを指摘している。人とのコミュニケーション、「動いている顔」が大事だと言うのはよくわかる。 

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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