1994年7月、北陸地方のL県にある蒔戸市で22歳の百貨店受付けの女性社員・新沼紗英が誘拐・殺害される。その犯人・ 久我隆太が逮捕されるが、街には、大人から子供に至るまで変な噂が広がる。被害者の日ごろからの素行が悪いとか、市会議員をしていた父親・新沼忠治は娘の素行の悪さに耐えかねて犯人の久我に娘の殺害を依頼したとか、そもそも父親と血がつながっていないとか」・・・・・・。「あの父親が怪しい。真相は別にある」とひどい話がまき散らされた。「オレたちの住むこの土地は、傷ついた人をさらに傷つけ、消費してしまう場所なのか」「噂が広まるその過程には明確な『悪意』と呼べるものがない。だからこそ質が悪い」」・・・・・・。しかもその同時期に、小学4年生の田村真也くんが行方不明になり、その後に交通事故で遺体が見つかる。犯人不明の事件だ。これにも「子どもを轢いたのは誘拐された新沼紗英かその父親」という噂まで立った。
25年経った今、佐村美冬は、4年2組の児童を受け持つ若き教師。ある日、生徒の戌井光汰朗が行方不明になり大騒ぎとなる。一晩、ニ晩、三晩」・・・・・・。6時半ごろ最後に会ったのが美冬であった。鍼灸へ行く途中だったが、事実無根、エステに行ったと週刊誌にも書かれ、追い詰められる。「教師失格」」・・・・・・。さらに行方不明になった光汰朗はデパート受付嬢誘拐殺人事件の父親・新沼忠治の孫。「昔誘拐事件のあったあの家。『呪われた一族』」「どうせ親が殺したんだろう」」・・・・・・。風評にさらされる。まさにスノードームならぬ"ファイアドーム"。
美冬、その恋人でL新聞記者の桜木透真、その記者仲間、光汰朗の家族、速斗らサッカー仲間の小学生たちが懸命に捜索に入る」・・・・・・。
