1793083805794.jpg「食の安全保障をどう守るか」が副題。激しい主張が続くが、異常気象が常態化し、世界の食料生産が不安定化しているなか、日本の食の安全保障が切羽詰まった状況にあることを示す。危機感が迫ってくる。コロナ禍の2022年11月発刊の本。昨年の「米騒動」の前だが、ことは構造的な問題であるだけに危機はさらに増すことになる。

「日本のカロリーベースの食料自給率は、2020年の時点で約37%の低水準」「種・肥料(エサ)・ヒナなどほぼ輸入に頼っているものもあり、その海外依存度を考慮すると、日本の自給率は今でも10%に届かないくらい(鶏のヒナほぼ100%輸入)」「世界で起こっている『食料・肥料争奪戦』」「農業政策の目玉は輸出振興とデジタル化と政府は言うが、真っ先にやるべき事は、国内生産の確保に全力を上げること」と言う。

「ウクライナ戦争」や「中国が爆買い。中国が高値で買い日本が買い負けるケースが起きている」「世界的な異常気象、原油価格高騰で『日本の農家が潰れる』危機」「世界を牛耳る『多国籍企業』」・・・・・・。世界の食料生産は不安定化し、かつ「食の安全」が蝕まれている。

「日本の食料自給率が下がった最大の原因は、貿易自由化と食生活改変政策」と言い、「コメ中心の食生活こそ大事。『食料はお金で買える』時代は終わったと認識すべき」と言っている。

「日本人が知らない『危険な輸入食品』」では、具体的に危険性を述べるとともに、日本の消費者の意識の低さを指摘する。

「日本の農業は過保護というのは間違いで、欧米の農業が自由競争で発展したというのも間違い」で、「本当は世界一保護なしで踏ん張ってきたのは、日本の農家」だと言う。そして「本当に食料危機に備える『食の安全保障』や、地域コミュニティーの維持、環境への配慮をおろそかにせず、多様な農家が共存しつつ、コミュニティを持続する方向性を政府として主導せよ」と言う。昨年の「米騒動」が忘れ去られようとしている今、「食料・農業」を守り抜くことの重要性を噛み締めたい。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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