20110301-book.JPG  現在の世界経済危機は、単なる景気循環の問題ではない。資本主義そのものの大転換、400年に1度の歴史の峠に今さしかかっているという。

  資源価格の高騰から論議は始まる(日本の原油など鉱物性燃料の輸入代金は94年にバレル17ドルで4.9兆円、2008年はバレル99ドルで27.7兆 円)。交易条件が新興国の需要増大、投機マネーの流入等で悪化し、技術革新も及ばず、人件費は削られ、所得は景気がよくなってもふえない。先進国は実物経 済では稼げない。そこで金融に儲け口を見出すようになる。1973年のオイル・ショック、74年を境に世界資本主義の構造転換が始まった。米国をはじめと して金融経済化の道だ。あわせて、たんなる市場経済によるのではない。国家戦略、それに基づく世界のルールづくりがヘゲモニーを得るために行われる。今や その金融空間でつくられたカネ100兆ドル。石油の価格決定権を握るということもからみ、1983年のWTIも、日本のバブルも、強いドルも、イラク戦争 も、基軸通貨をめぐる米欧の戦いも、脱領土の覇権の確立という文脈のなかにある。


20110225-book.JPG 躍進を続けるヤマダ電機。なぜあれほどの拡大ができるのか。なぜ安く売りながら利益が上がるのか。消費に限界があると思えるのに、どこまで行けるのか。おそらく想像を絶する難題・苦難があるだろうと思われる。

  その意味で本書は難題突破の悪戦苦闘の歴史でもある。しっかりした理念(「創造と挑戦」「感謝と信頼」など)、POSシステム・自社物流システム・E・ VANシステムの導入などITの徹底活用による商流と物流のイノベーション、さらに地域電気店を巻き込んだコスモス・ベリーズの取り組みや小商圏店舗での 市場創造、医療・教育からオール電化商品への参入、中国進出――。全ての分野にイノベーションがあり、徹底した現場主義に基づいた挑戦の姿勢が貫かれてい る。
 理念は往々にして理念としてまつり上げられがちだが、本当に「創造と挑戦」「感謝と信頼」「企業価値を高め社会に貢献する」が、一直線に貫 かれているがゆえの成長であることがよくわかる。それ以上に、最も重要な社員力が、会長、社長の気迫と愛情で育まれている感がした。統率力は気迫だと思わ ずにいられない。


20110221-book.JPG  「新 興国が動かす世界経済の新ルール」と副題にあり、世界をめぐる4000兆円の「ホームレスマネー」が今、大挙して新興国(「BRICS」だけでなく 「VITAMIN」の時代)へと向かっている。大前さんのいうVITAMINとは、ヴェトナム、インドネシア、タイとトルコのT、アルゼンチンと南アフリ カのA、メキシコ、イランとイラク、そしてナイジェリアだ。とくにインドネシアやトルコを紹介している

  成熟経済では金利を下げて資金供給しても、経済自体が資金を必要としてないからそれを吸収しない。少子高齢化した先進国で、活性化した経済が持続することはない。だから金融緩和も財政出動も効果は出ない。

  大 前さんは怒り、あきれて、それでも数多くの提言をする。「内向き、下向き、うしろ向き」の三拍子を捨てて、「外向き、上向き、前向き」に進め。国債暴落の 危機が迫っているではないか。日本にはそれでも1400兆円もの個人金融資産が手つかずで眠っているではないか。これが吹き飛ぶ前に、税金ではなくこの 1400兆円と世界にあふれる4000兆円のホームレス・マネーを使って経済を活性化する仕掛けをつくれ。しかも円高で、技術もあり、発展させた経験も使 えるではないか。世界に向けて、そして国内でも新しい都市そのものをつくり出すなど、投資家にとって無視できないほど魅力的な開発プランを発信せよ。きわ めて具体的。分析や論議ではなくもう動かなくてはだめだと言っている。




20110218-book.JPG琉球王朝500年の末期。テンペスト――まさに世界も嵐、王朝も嵐、人心も嵐。アヘン戦争、列強が迫り、ペリー来航(浦賀より前に琉球へ)、そして大政奉 還、明治維新、廃藩置県――巨大であった清国の冊封(さっぽう)体制と薩摩藩との間のなかで、王朝国家の存続をかけて生き抜く主人公(父親の期待に応える ために宦官と偽り、孫寧温として王宮入りを果たす天才美少女・真鶴=女性として王の側室ともなる)それを囲む愛憎からむ人々。

  とにかく、波瀾万丈、奇想天外、時代の嵐と王朝内の権力闘争・毀誉褒貶、愛とロマンの宝塚を想起する大ドラマで面白い。九死に一生の連続で、そのダイナ ミックさは、息つくひまがないが、この時代、想像を絶する大変さ、混乱や悲惨、悲しみがあっただろうと思いをはせる。1872年に琉球藩設置、1879年 に琉球の取り潰し(琉球処分)、500年の琉球王朝が終わりを告げる。
  仲間由紀恵主演で舞台化されるが、この長編をどうやって演ずるのだろうか。


090717-1-book.JPGまず、南北朝時代を描いた、しかも村人の生活から時代の空気を描いたのは面白いし、あまり例がないのではなかろうか。しかも史実の裏付けがある。人物の配置と個性も鮮やか。黒澤明の「七人の侍」とはむしろ違っていて、これは悪党の襲来に備え、8人の侍を雇った村、弩を手にした因幡の百姓の物語だが、むしろその背景を描いている。

   柿渋を特産とし、塩との交易によって豊かな村をつくるということも背景にあるし、南北朝時代、楠木正成の活躍と死も物語の背景にある。

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プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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