ムダとは何か。本書は2008年に書かれており、「政府の借金残高は対GDP比で150%を越え、フローの財政収支でみても、国の一般会計で毎年25兆円を越える国債を発行している」とある。
安倍内閣の予算編成の時、何とか25兆円に止めようとしたが、今、44兆円の国債を平気で発行する政権にあきれる思いだ。
事業仕分けはいい。しかし、パフォーマンスであってはならない。ムダには絶対的ムダ(誰から見ても明らかなムダ)と相対的ムダ(多少は有益であってもそれを上回る費用がかかるので、ムダな歳出)がある。問題の所在は相対的ムダをどう判断するか。更には災害防止などの公共事業に対する歳出にあたる「結果としてのムダ」がある。これがムダであるかどうかの判断も簡単ではない。
井堀さんは、「ムダとは何か」「特別会計のムダ」「人件費と政府消費のムダ」「公共事業のムダ」「補助金のムダ」、そして「ムダの削減と財政再建」「ムダ削減の方法」について、詳細に冷静に、キチッと分析してくれている。
「若者の読書離れはほんとうか」
「小泉改革は格差を拡大したのか」
「連続する事件や事故に関係があるのか」
――ジニ係数とローレンツ曲線に始まり、完全失業率、非正規雇用、ワーキングプア、生活保護、ホームレスとネットカフェ難民、一人当たりGDPの意味を解析し、統計思考力を示している。
その背景には平均世帯人数が減少した。高齢者がふえた。高齢者の格差が著しい。景気の動向が影響している。
ホームレスやネットカフェ難民は数えられず、統計がかなりアバウト。だが、97年から5年位が増加している。小泉政権下で、平均給与は下がっているが、正社員は上がり、非正規は上がらない。
小泉改革と格差拡大の関連ははっきりしないが、格差社会そのものは幾多の要因からある(小泉以前から)。
「平均と分散」「正規分布とべき分布」「相関」「標準編差」「大数の法則」をわかりやすく説明し、さらにデータの利用を道案内してくれている。
じつに面白い本に出会った。
勝負脳の林先生だ。最近はこうした本が多いが、細神経細胞のもつ本能、「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」という3つの本能と、2つのクセ「自己保存」「統一・一貫性」が脳のパフォーマンスを落とす原因にもなることを指摘している。とくに「A10(エーテン)神経群」はそのカギとなる。
北京オリンピックの北島など日本水泳を勝利に導くことに一役かった林先生。「ぶっちぎりの勝利」をめざさなければ勝てない。「そろそろゴールだ」と思った瞬間、脳の血流は落ち、「もうがんばらなくてよい」と脳は判断してしまう。アテネオリンピック100mのジャマイカのパウエルの金メダルを逃したことも分析されている。
「だいたいわかった」と思えば、脳は「これ以上考えなくてよい」と完結してしまう。
脳に悪い7つの習慣とは
(1)「興味がない」と物事を遠ざけることが多い
(2)「嫌い」「疲れた」とグチを言う
(3)言われたことをコツコツやる
(4)常に効率を考えている
(5)やりたくないのに、我慢して勉強する
(6)スポーツや絵などの趣味がない
(7)めったに人をほめない
――の7つだ。これをやめれば頭の働きは倍増するという。
