クレーマー化する親たちは、余裕がなく、いっぱいいっぱいで、不満もストレスも不安もたまりにたまっている。
そして不幸を嘆き、少しでも幸せそうな人に鬱積したものをぶちまけたいというマグマがたまっている。しかも、コミュニケーションの減少と不全があり、この国の人間関係は希薄化しているうえに、IT、携帯が仮想空間に拍車をかけている。そのうえ、教師(それは議員も役人も医者も)は、サービスするのが当然という店員扱いをされるという社会の大きな変化がある。
お医者様でも先生でもなく、保護者様、患者様意識はそうしたことからでき上がっている。山脇さんの「教室の悪魔」は攻撃的だったが、この本もまた見事に実態を見せてくれ、解決策を示してくれている。
「幸せになること、自分の力で幸せになるのだ」「人生とは勝ち負けなのだろうか。幸せか幸せではないかではないのだろうか」との締めくくりの言葉はズシッと心に響く。
産業資本主義の時代から新たなポスト産業資本主義の時代が21世紀だ。前者は「資本=金を追いかけ求めた時代」。後者は「お金が追いかける時代」。金融テクニックで膨れあがった資金が情報通信技術によって一体化した世界中の市場を行き交い、更なる膨張の機会を求めて駆け回っているファンド資本主義の時代が始まった。榊原さんは大切なものは「技術、知識、情報」であり、それを下支えするのが教育だという。
外国為替市場では、1日の取引額は1.5兆ドルで、資本が実体経済とは無関係に膨張する。お金が余っている。それが、技術と知識と人材を求めて追いかける時代。まさに、原油高騰と、サブプライム問題はそうしたものだ。
世界各国がいかに戦略的か。中国もインドも韓国もEUも。ところが日本は動いていない。動けないでいる。ポピュリズム、テレビの影響もその大きな要因だ。
ポピュリズムではダメ。ポピュリズムとナショナリズムの政治ではなく、リアリズム、リベラリズムの政治をもって、国家戦略をもって日本を進めよという。同じ危機感を私はものすごくもっていて、「安心、安全の勢いのある国」をめざしている。