1789745472147.jpg「免疫とは」「免疫の成り立ち」「免疫と病気の関係」「免疫とワクチン」「がんとの戦いと免疫療法」「アレルギー」「免疫と体、睡眠、ストレス、生活」「合成生物学と免疫学」など、免疫学のエッセンスを73項目にわたって豊富な図解も交えて解説する。人体の不思議と凄さ、病原体と格闘した人類の英知の歴史、免疫学の現在地について思い考えさせられた。

「感染防御は3層構造」――。皮膚や粘膜(物理的、科学的、生物学的防御) ②古い白血球(自然免疫系) ③新しい白血球(獲得免疫系)――。白血球と総称される細胞集団が免疫系で約40兆個の細胞のうち2兆個位(5%)の細胞で構成される(諸説あり)と言う。

第一の防御ラインは自然免疫。マクロファージがパターン認識受容体を介して病原体を認識して貪食。サイトカインという免疫制御物質を分泌して、血液中にいる好中球などの免疫細胞に応援を頼み戦う。サイトカインは細胞同士の情報伝達を担うタンパク質分子の総称で100種類以上あると言う。「敵が来たぞ」と緊急を伝えるわけだ。マクロファージは貪食の他にも炎症の始動、抗原提示など役割を持つが、痛みを誘発したりするサイトカインなどの分子を放出するため、赤く腫れて痛む(壊れた組織の修復も)。ステロイドは炎症を抑制する薬なので感染症が長引いたり、手術の傷口の治りが遅くなることにもなる。敵が強大だとサイトカインの暴走(サイトカインストーム)を起こすこともある。

第二の防御ラインが獲得免疫だ。これはリンパ球。脊椎動物はこの進化的な新しい白血球を持つことで、自然免疫に加えて獲得免疫という緻密で強力な感染防御機構を手に入れた。リンパ球は、T細胞とB細胞の2つに大別され、T細胞はヘルパーT細胞とキラーT細胞に大別される。リンパ球は抗体という高精度のミサイルを作ったり(B細胞)、細胞内に隠れた病原体を見つけて殺傷するキラーT細胞で病原体を攻撃する。自然免疫と獲得免疫の最も大きな違いは病原体を感知する識別能力と言う。リンパ球は戦って死ぬが、一部が体内に記憶リンパ球として生き残り、同じ抗原(病原体)の次回の侵入に備える。これがワクチンにつながる。すべての抗体はB細胞により作られる。またリンパ球が自分の臓器を攻撃することを防ぐ仕組みが胸腺という臓器。自己反応性T細胞を体内からせっせと常に消去していると言う。リンパ管系は免疫細胞の移動経路であり、この組織中で産生された老廃物を含む排水がリンパ液。リンパ管の流れは遅く、リンパ液はうっ滞しやすいので、顔や足のむくみが生ずる(マッサージが有効)・・・・・・

「マスト細胞の活性化でアレルギー反応が起きる」「アレルギー発症のカギIE」「花粉症」「喘息」「アトピー性皮膚炎」「自己免疫疾患」「関節リウマチ」などの仕組みが解説される。

「免疫とクスリ」「ワクチン」「新しい原理のワクチン・ メッセンジャーRNA」「免疫でがん細胞を叩く治療法」」・・・・・・

「免疫とからだの新しい関係」――。「環境と生活習慣は免疫に影響する」「腸内細菌は免疫を形づくる」「適度な運動は免疫を高める」「ストレスは免疫を低下させる」「規則正しい生活により免疫力が保持される」・・・・・・。そしてこれからの「新しい技術開発と免疫学 シングルセル(1細胞)解析」「合成生物学と免疫学」を紹介している。

我々の体内では広大な宇宙のような世界が広がり、激しい攻防戦が展開されている。  

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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