ジワジワ来る.jpg ネッ トに投稿された作者不詳の面白写真集。エッと思うもの、つい吹き出してしまうもの、偶然もあるだろうし、ギャグもある。たしかに「思わず二度見しちゃう面 白画像集」だ。わからない、何だろうと思いつつ、絶妙なキャプションで救われたりもする。動物は面白いし、可愛いし、たしかに癒しだ。よくぞ集めてくれ た



経営者心理学入門.jpg リッ キービジネスソリューションを立ち上げて活躍している渋谷さんの近著。ノウハウ本は多いが、経営者の心理、交流・信頼の拡大、関係作りの実践的ポイントを 分析している良書。「自尊心」「自由・独立」「強み」「志」「社会貢献」などの経営者の基本心理を分析しつつ、「感謝」「人脈」「縁」「好かれる人」など を説く。要は、人間学であり、私流に言えば、自らの人間を創り、「人と人との間」である人間関係を創る。積極的に意欲を持って。挿入されるコラムも面白 い。渋谷さんの意欲と経験が語られ説得力を増している



経済成長は不可能なのか.jpg 「少子化と財政難を克服する条件」「成長なくして幸福なし」と副題にある。デフレ不況問題、財政難問題、国の債務残高問題、少子化問題の四重苦。それに今、未曾有の大震災・原発事故が加わった日本――。四重苦はしかも、1つを解決しようとすると他が悪化するという矛盾対立が絡み合う。

 「政治主導とムダの削減で成長?」「失われた20年の要因――生産性低迷説・行財政改革不徹底説・消費飽和説・民間の資金需要減退説・バランスシート不況説・不良債権処理の遅れ・日銀真犯人説?」など、あらゆる論点を鋭く分析する。そのなかで、プラザ合意以来の円高の桎梏について強調しているのが目立つ。

 「一 時的な国債の増発をともなう財政の拡大と金融の量的緩和で一定の成長軌道を確立する。タイミングをはかり、消費税を引き上げて税収基盤を整え、国債依存を 減らしていく。その間、拡大した財政基盤のなかから積極的な未来への投資を展開していく。そうすることで、債務残高問題を本質的に悪化させることなくデフ レ不況と財政難を克服し、少子化を緩和して、将来への希望を確かなものにしていく」ことを例証をあげつつ提示する。


下町ロケット.jpg  ロ ケットエンジンの開発に携わっていた佃航平は、打ち上げ失敗の責任をかぶって辞職、父親が創業した町工場を引き継ぐ。その世界最先端のエンジン特許がなけ ればロケットは飛ばない。大企業は焦る。町工場の技術、プライド、意地と夢、生き残りをかけた戦い、大企業などとの攻防が描かれる。つぶしにかかる敵対す る人たちは、あまりに図式的・劇画的ではあるが、佃を支える人が心を一つにして、ついにロケットは打ち上げられる。痛快。


津波と原発.jpg  「東京で、偉い人が、くれぐれも復興プランなどつくらないでほしい」「政治家は1か月位、家族ぐるみでここへ来て住んでみたらいい」――311以 来、何度も被災地を訪れて聞いた言葉だ。現地では今日も人は生活している。佐野さんは「ここへ来て、悲しそうな牛の目を見てみろ。言いたいのはそれだけ だ」という言葉を載せているが、この3月、「牛を置いていけといっても牛は俺の家族だ」と泣いた畜産業の人の言葉は私自身、今も深く残っている。先月訪れ た南相馬市の和牛の悲しそうな、訴えかけるような目も・・・・・・。「原発によってもたらされる物質的要素だけを享受し、原発労働者に思いをいたす想像力 を私たちが忘れてきた・・・・・・。原発のうすら寒い日常の向こうには、私たちの恐るべき知的怠惰が広がっている」と佐野さんは語る。現場の涙と土と汗、 言葉のない絶句の世界。キレイごとどころかキレイごとにもならない東京の政治に、誰も見向きもしなくなった現場。自分が「頑張ります」としか言いようのな い世界、それが現場。「大衆と共に」だ。

 佐 野さんは原発の歴史にふれつつ、「正力松太郎の巨大な掌の上での安穏な暮らし」を問いかけている。プロ野球もテレビも原子力も正力の天才的プロモー ト・・・・・・。戦後とは、繁栄とは・・・・・・。あくまで被災者を思う心の深さがあるかどうか・・・・・・。根本的な問いかけを本書はしている。

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プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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