ミャンマーの激変は顕著だ。熱い。そして注目されている。2010年11月、新憲法に基づいての総選挙が実施され、2011年2月には国会でテイン・セイン大統領が選出された。軍も民主勢力も国民が求める経済発展を成し遂げなければならず、ともに自己改革を迫られることになる。政治も社会も明らかに激変の兆しがみられる。志向する経済改革、中国とインドにはさまれるASEANからのゲートウェイ。日本に好意をもってくれている大切な国である。
ミャンマーの歴史そのものともいえるアウン・サン、ネ・ウィン、タン・シュエ、キン・ニュン、テイン・セイン、そしてアウン・サン・スー・チー。歴史を紐解きつつ、いよいよミャンマーが新しい段階に入った。今度こそ入ったと元ミャンマー大使の宮本さん(私にとっては中国大使としてお世話になった)が期待を込めてミャンマーを語ってくれている。今年は政府間交流も盛んとなっている。
経済成長や景気変動を取り扱うマクロ経済学はある意味、わかりやすいし、興味深い。しかし、それはミクロ経済学を踏まえなければならない。そしてミクロ経済学には昨今、ゲーム理論などが入って展開がされているが、飯田さんは、より原点的なことからその基本的な思考法を解説をしている。本書はなんと財務省の人への講義に基づいている。副題に「新しい経済学の教科書(1)」とあるが、「飯田のマクロ」などが今後、続いていくようだ。
「経済学は、個人主義・自由主義から出発し、主観価値説を基礎とし、資源が希少な環境を舞台に展開される議論」という。そして「個人は予算制約の中で幸せを目指すなどの個別主体の行動原理」「競争的な市場が望ましい理由(完全競争市場の効率性など)」「競争条件と企業の行動」「競争的な市場が望ましくない場合(公益事業のかかえの問題)」などを解読する。
「財政政策」「消費税問題」「消費税を上げないとギリシャのようになる、というが、ギリシャの破綻は増税にもよる」「国の借金はどの通貨でしているかを見ることが大切」「金融政策は、日銀が金融機関を相手にしているので円安は望まず、雇用などに景気回復が及ぶ前に引き締めてしまうことになりがち」「公共事業はなぜ景気にきかないのか」――こうした飯田さんの発言は、本書でも時折り顔をのぞかせる。マクロ経済政策では、どうしても論者の価値観が入るが、ミクロを踏まえるということは、価値観を除外した理論を踏まえよということでもある。
