アインシュタインの望遠鏡.jpg宇宙の解明は、全く新しい段階に突入したようである。衝撃的だ。

宇宙は何でできているのか――長い間、科学者達が挑んできた課題。今は高性能の望遠鏡のおかげで、はるか遠く、何億光年という光の星まで観測できる。

「アインシュタインの望遠鏡」というのは、これらの望遠鏡とは全く異なり、一般相対性理論――空間と時間はあらゆる質量によって曲げられる――をもとに、「重力」がつくる望遠鏡である。

いわば、宇宙そのものを望遠鏡として使うのである。この重力レンズによって視野の限界は打ち破られ、かつて見ることのできなかった宇宙の暗い領域が明らかになる。

10年ほど前、宇宙物理学は、ダークマター、ダークエネルギーという存在を発見した。


2020年、日本が破綻する日.jpgアジテーションをしているのではない。きわめて冷静に、公然のデータを使い、危機を示し、脱出の方向性を示している。

「債務超過の日本財政」
「埋蔵金で問題は解決しない」
「成長のみで財政は再建できない」
「財政は社会保障の再生プランなしに健全化できない」
「財政赤字は世代間格差だ」
「財政の持続可能性と世代間公平の同時達成が大切」
などを指摘する。

そして解決策として
「事前積み立て」
「世代間公平基本法の制定」
「管理競争の導入」
を示している。

財政・社会保障再生の全体像を示すなか、最も求めているのは、「そうした本格的論議をいつまで政治は逃げているのか」という著者の叫びだと思った。


左遷の哲学.JPG78年の初版だから30年もたつ。新装版が今年出たということでいただいて、本当に久し振りに伊藤肇さんの哲学に出会った。

「闘病と浪人と投獄の三つの段階を通って実業人として完成する」という松永安左エ門さんの名言を受け、苦難・風雪のなかで人間が鍛えられるという書だ。

「自分の生のみすぼらしさ、つたなさがあわれでならなかった」という川端康成の言。

「災難に逢う時節には災難に逢うがよく候。死ぬる時節には死ぬるがよく候」「縁ニ随ッテシバラク従容ス」という良寛の言。

「あがり(相場)さがりの十年間の辛抱のできる人が、すなわち大豪傑だ」「ヤセ我慢を張り通せ」という勝海舟や松永安左エ門の言。

「風車 風が吹くまで 昼寝かな」の広田弘毅。「今が最悪だといえるときはまだ最悪ではない」というシェークスピア。

この本の副題には「嵐の中でも時間はたつ」とある。私は、究極の人間哲学は師弟だと思う。


不況は人災です!.jpgデフレが続いている。それはケインズ理論でもなければ新古典論でもない、新しい現代のケインズ理論を必要とした。

「流動性選好」という何も買うものがなくても人々はおカネを欲しがる。脱デフレは人々がおカネをあまり持ちたがらないよう、使うモノを買うように、予想を変えるぐらいの金融緩和をし、インフレ予想を作り出す。脱デフレの「リフレ論」だ。

2003年の景気回復――輸出増は誰でもわかるが、何が設備投資の増加をもたらしたか。

予想インフレ率が上がり出した。ゼロ金利政策、量的緩和、巨額の円売り介入。それは90年台終わりごろからの「流動性のわな」の状態から脱し、インフレへの反転を予想することになった。


名字と日本人.JPG29万種といわれる日本人の名字。

古代の農民は大伴部、日下部などの姓をもっていたが、鈴木、佐藤といった武士が広めた名字を代々伝えるようになった。

名字の発生は平安時代の末、武士の登場と鎌倉幕府の成立にかかわる日本史上の重要な出来事である。

「氏」「姓」「名字」「苗字」・・・・・・。

北条時政の名字は「北条」、姓は「平朝臣」、つまり朝廷の公式の行事の場では「平朝臣時政」となる。

全国の名字を調べあげ、それはまた日本の歴史そのものを調べあげるという大変な仕事を武光さんはやってくれている。

<<前の5件

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

太田あきひろホームページへ

カテゴリ一覧

最新記事一覧

私の読書録アーカイブ

上へ