日本人へ 国家と歴史篇.jpg「『密約』に想う」
「仕分けで鍛える説得力」
「8月15日に考えたこと」
「一人ぼっちの日本」
「開国もクールに!(移民対策)」
「ローマで成瀬を観る」
「夏の夜のおしゃべり(女性の品格)」
「戦争の本質」
など・・・・・・。

バシッと脳天唐竹割りだ。なかでも前回、参院選直後の「安倍首相擁護論」は全くその通り。擁護ではない。エールだ。深く感じ入る指摘だった。


日本人へ リーダー篇.jpg「文藝春秋」に毎月、連載されたものをまとめたもの。歴史・哲学を踏まえ、しかも現場を見ての確立された視点からの塩野さんの発言は、カミソリというよりオノで真正面から叩ききる強さがある。

イラク戦争から本書は始まるが

「人間ならば誰にでも、現実のすべてが見えるわけではない。多くの人は、見たいと思う現実しか見ていない」(ユリウス・カエサル)

「危機打開に妙薬はない。ということは人は代えたとしても目ざましい効果は期待できないということである。やらねばならないことはわかっているのだから、当事者が誰になろうと、それをやりつづけるしかないのだ」(「継続は力なり」の項)

「ドイツの敗戦処理を見習えと言ってくるがあれも見習わない方がよい。・・・・・・戦前戦中の悪のすべてをヒットラーとナチにのみ転嫁したこのドイツのやり方は、ドイツ人自身の自己批判能力を衰えさせてしまった」(「負けたくなければ」の項)

――各篇に全てといっていい。考えさせられることが詰まっている。


格差を考える.JPGリーマン・ショック前後の時期に専門家が分析している格差問題をまとめた本書。短い論考だけに角度がそれぞれあって、論点が整理されている。

所得格差、教育格差、地域間格差、若者世代内・老齢世代内の格差。そして、グローバリゼーションが世界の貧困を緩和するにしても、世界の国家間格差を是正するか否か、それも分析している。しかし、いずれにしても、先進国・途上国とも所得格差は拡大する(技術革新が単純労働の雇用機会を奪っているし、世界規模のアウトソーシングで先進国の賃金格差が拡大している)。

格差問題と貧困問題は別。ワーキングプアは、未熟練労働への需要減少(グローバリゼーションとIT)にもかなり起因する。

1990年代前半、地域格差は縮まった。バブルのはじけた都会と引き続き伸びた地方。そこの公共事業との関係。その後、高齢化の進展、企業規模間の賃金格差拡大、非正規社員の比率増加などが顕在化する。

若者への教育・訓練投資の重要性。「ゆとり」教育の失敗も「ゆるみ」「たるみ」になったというよりも、それを可能にするカネと人の資源不足、教育のインフラ(それを支える人とカネ)が崩壊しているという構造を見ない甘美な教育論。それがまかり通ってしまった。

このように、本書では専門家が次から次へと問題を提起している。


最新の経済と政治のニュースが世界一わかる本!.jpgカリスマ講師といわれて、若い人から「目からウロコ」と圧倒的に支持されている細野さん。

この本は、今、焦点の「年金」と「財政・消費税」などをそれこそ冷静に、わかりやすく解説している。「年金は破綻していない」「財政破綻とは何か」「社会保障と消費税」などを、イチから、丁寧に解いている。

民主党とマスコミの巷間まき散らされている言説の真偽を明かにしている。


総合福祉企業 ウイズネットの挑戦.JPG認知症の症状がある高齢者のためのグループホーム、特定施設といわれる有料老人ホームやケアハウスなどの居宅型サービスが求められている。しかも安く。

需要が多い。右肩上がりといっても、補助金を使って特養や老健を数多く建てればいいというものではない。自治体の負担、介護保険料アップが待っているし、高ければ入所したくてもこれら諸施設には入れない。介護サービスの拠点として、小規模・多機能サービス拠点が、必要なのは切れ目のない在宅サービスがいるからだ。

しかも、これらが時間軸的にも、地域的にも、一人の高齢者にとっても連続して線と面にならないと介護はできない。

ウイズネットの高橋行憲社長はこの本(2004年)の頃より、格段に広く、深く、巨大な情熱で切り拓いている。公明党の昨年の介護総点検についても現場からの真実の声を私自身が聞かせていただいた、御本人の著わした『介護ビジネスの現場から』(YSS企画出版)とあわせて勉強させてもらった。

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プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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