民主党が日本経済を破壊する.jpg「民主党政権には、経済も外交・安全保障も財政も、基本理念が致命的に欠けており、その場しのぎの無責任さは目をおおうばかりである。

迷走は続き、経済をぶっこわしてしまう。高福祉・高負担の北欧モデルをめざしているようだが、負担にはいっこうに触れない。経済成長を促し、財政への道筋をつけ、安心社会を実現するために何をするか。日本の病は急を告げており、時間がない」――与謝野さんはそういい、2006の骨太の方針、2007財革研、リーマン・ショック後の緊急対応(第1次補正15.4兆円)、そして安心社会実現会議などに取り組んだ意味について語っている。

私もまた並走してきた一人であるだけに思うことが多々ある。


「歳出の無駄」の研究.JPGムダとは何か。本書は2008年に書かれており、「政府の借金残高は対GDP比で150%を越え、フローの財政収支でみても、国の一般会計で毎年25兆円を越える国債を発行している」とある。

安倍内閣の予算編成の時、何とか25兆円に止めようとしたが、今、44兆円の国債を平気で発行する政権にあきれる思いだ。

事業仕分けはいい。しかし、パフォーマンスであってはならない。ムダには絶対的ムダ(誰から見ても明らかなムダ)と相対的ムダ(多少は有益であってもそれを上回る費用がかかるので、ムダな歳出)がある。問題の所在は相対的ムダをどう判断するか。更には災害防止などの公共事業に対する歳出にあたる「結果としてのムダ」がある。これがムダであるかどうかの判断も簡単ではない。

井堀さんは、「ムダとは何か」「特別会計のムダ」「人件費と政府消費のムダ」「公共事業のムダ」「補助金のムダ」、そして「ムダの削減と財政再建」「ムダ削減の方法」について、詳細に冷静に、キチッと分析してくれている。


日本でいちばん大切にしたい会社2.jpg2年前に出され、ただちに読んで、感動し、人にも勧めた。その続編だ。

いずれも中小企業。工夫、知恵、社員を本当に大事にしている。新しく、独創的、しかも自然体の経営。何よりも共通しているのは経営哲学がしっかりしている。前向きでゆるぎない理念、哲学。

富士メガネ、亀田総合病院、埼玉種畜牧場「サイボクハム」、アールエフ、樹研工業、未来工業株式会社、ネッツトヨタ南国株式会社、沖縄教育出版の8社が紹介されている。


総理の娘.jpg総理の重圧たるや大変なものだろう。それに歴代の総理は孤独を口にし、情報が必ずしも官邸の中にバランスをもって入らないことを嘆いていた。

しかも親子の絆は、父と娘、母と息子がより強いといわれる。だからこそ娘から話を聞くということは総理の心の中を垣間見ることになる。

岩見さんはいつも正攻法のなかに暖かさがあるから、いい語らいになっている。本書では、親娘のいたわりと愛情がにじみ出ており、いい父娘だとしみじみ思った。


不透明な時代を見抜く「統計思考力」.JPG「若者の読書離れはほんとうか」
「小泉改革は格差を拡大したのか」
「連続する事件や事故に関係があるのか」
――ジニ係数とローレンツ曲線に始まり、完全失業率、非正規雇用、ワーキングプア、生活保護、ホームレスとネットカフェ難民、一人当たりGDPの意味を解析し、統計思考力を示している。

その背景には平均世帯人数が減少した。高齢者がふえた。高齢者の格差が著しい。景気の動向が影響している。

ホームレスやネットカフェ難民は数えられず、統計がかなりアバウト。だが、97年から5年位が増加している。小泉政権下で、平均給与は下がっているが、正社員は上がり、非正規は上がらない。

小泉改革と格差拡大の関連ははっきりしないが、格差社会そのものは幾多の要因からある(小泉以前から)。

「平均と分散」「正規分布とべき分布」「相関」「標準編差」「大数の法則」をわかりやすく説明し、さらにデータの利用を道案内してくれている。

じつに面白い本に出会った。

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プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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