政治コラム 太田の政界ぶちかましCOLUMN

NO.22 「綸言汗の如し」「信なくば立たず」 国と政治の基本を建て直せ

2011年2月 5日

「民の憂い募りて国滅ぶ」との言葉があるが、国全体に閉塞感や不安感が広がっている。景気・経済の低迷、年金・医療・介護等の社会保障の不安をはじめとして、国自体が自信を失いつつある危機のなかにある。しかし、より深刻なのはそれを建て直すべき政治が、今回の内閣改造にみられるごとく、大迷走をしているということだ。

今年に入って、地方を拠点にして勢いある事業を展開している企業の新年会に出席したところ、丁寧な手紙をいただいた。「今の日本の政治はどうしようもあり ません。政治家は自分のことばかり考え、他人のことや自分が生まれ育った地域、いわんや国の事を本気で憂い行動する人が見えなくなってしまいました。みな 口先だけの小利口な人間の集まりになってしまいました。"綸言汗の如し""信なくば立たず"です」と指摘し、「リスクを背負ってもやり抜く覚悟が必要」と の私の訴えに激励の声を寄せていただいた。

政治家が危機感をもつ言動なくして、現在の国難は乗り切れない。他人事ではない、困っている人の側に立ち真剣に闘う政治家なくして民の憂いは除去できない。

「綸言汗の如し」――鳩山内閣、菅内閣と、首相も閣僚もいかに言葉の軽さが不信と不安を助長し、国益を損したことか。

「信なくば立たず」――民主党政権のマニフェスト違反や、政策的に対極にある与謝野氏の入閣がいかに失望を与えたか。事態は深刻だ。

問題は二つある。まず「マニフェストが実現できない。マニフェスト詐欺、サギフェストとなった」ということだ。マニフェストの目玉だった「子ども手当2万6000円、国の全額負担」は地方負担もさせ額は半額、高速道路料金の無料化は実現せず(一部のみ実験的実施)、ガソリンの暫定税率廃止は早々と現状維持、普天間移設や八ッ場ダムもかき回しただけで混乱させる。財源は10兆円でも20兆円でも出せるといって、全くダメ。あげればきりがないが、国民との約束は破綻した。約束をるのは人間の基本だ。国民生活や国家に対する政治の責任と襟度の欠如――こんなことは日本の政治史上かつてなかった。

第二は、今年に入って、マニフェスト修正発言や経済政策の司令塔に民主党の政策と真っ向から対立してきた与謝野氏をもってきたことだ。それは、従来の民主党の政策を根本的に変えることを意味し、一体、民主党は何をやろうとしているのか、全くわからなくなってしまった。検討と漂流、根本的な民主党の政策自体が溶けてなくなったということだ。年金などは、当初の最低保障年金、税方式から変化させてきて、今、確たる年金案がない状態。そして、そもそも税方式か保険方式の根本議論からやり直すという。呆れた話だ。消費税も上げないといってきたのに引き上げると言い出す。

中曽根元首相が民主党議員を評して「アイスクリームみたいにすぐ溶ける」と言ったことがあるが、政策自体が溶けて消えてしまったといってよい。政権交代から1年半、政権を獲った自らのマニフェストを守るか修正するかで党を2分している民主党の呆れた状態。今ごろになって「税と社会保障の一体改革の検討を始める」といわれたら、ハンドルを渡した国民はどうしたらいいのか。仮免ではない。政権党には責任がある。

国の基本が崩れようとする深刻な危機は、「みな口先だけの小利口な人間の集まりになってしまった」という人間の基本が崩れることに起因する。「綸言汗の如し」「信なくば立たず」――それが政治の責任と襟度だ。

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