政治コラム 太田の政界ぶちかましCOLUMN

NO.56 今こそ日本再建へダッシュ 「景気・経済」「防災・減災ニューディール」を

2012年12月 2日

衆院が解散となり、12月16日の投票日をめざして舌戦が開始されている。問われているのは、「日本再建を担うことができるのは、どの政党か、どの政治家か」ということだ。当然、この三年間の民主党政権の総括――マニフェストは総崩れ、外交・安全保障も日米、日中関係をはじめ迷走、東日本大震災の復旧・復興の遅れ、景気・経済の円高・デフレ等に対する無策と世界に例のない逆噴射政策など、数限りない大失政は厳しく問われなければならない。そしてもう一つ、民主党からの相次ぐ離党、野合ともいわれる新党の離合集散に、「今は政治も政党も訳がわからない」「しっかりした政党、政治家はいないのか」との嘆きの声があふれている。なんと10以上の政党が乱立しての選挙戦となっている。これまで例のないことだ。政党、政治家自体が厳しく問われている。



「日本が壊れてきている」との悲鳴があふれている。悲鳴の背景には、「尖閣」「竹島」等の外交問題、そして景気・経済が低迷し、リーマン・ショックの後よりもむしろ今の方が中小企業や商店街は厳しくなっており、若者等の雇用は深刻、企業の基礎体力が弱体化していることがある。

テーマは日本再建――。何よりも景気・経済の再建、そして外交の再建、社会保障の再建(持続性)、東日本大震災の復興とともに首都直下等の大地震に対するインフラの再建が急務だ。これら国の根本的な再建に今、本格的に、一日も早く乗り出さないと本当に日本は衰退する。未来を語れなくなってしまう。日本再建へのダッシュだ。

とくに景気・経済。私はこの三年、民主党政権の経済無策に歯ぎしりする思いだった。そして繰り返し、「金融政策」「財政政策」「産業支援政策」「経済活性化への規制緩和策」を総動員せよ。財政政策は「防災・減災ニューディール」「再生エネルギー」「介護をはじめとする社会保障」の3つを柱とせよ。その活性化によって雇用をつくれ、と言い続けてきた。GDPは資本と生産性と労働力の三要素からなる。だからこそ、先端技術開発への国の支援、そして若者とともに女性と高齢者への雇用の道を拓くことが大切だ。

大地震への対応は、大学時代に耐震工学を専攻した私にとってライフワークともいうべきものだ。阪神大震災以来、学校の耐震化をはじめとして先頭に立って進めてきたが、復興とともに、首都直下地震や東海・東南海・南海地震への対策は、今ただちに行う緊急テーマだ。一気に進めたい。外交の再建も日米、日中をはじめとして急務だ。これまで築いてきた人間関係を生かし難局打開に今こそ動きたい。公明党が立党時から取り組んできた社会保障も持続性を何としても保持したい。

政党・政治家の劣化は、総選挙を前にしての国会議員の離合集散で極みに達している。溶解、液状化の姿は見苦しく映るだろう。「嘘と無責任の政治家はいらない」「選挙互助会の"野合政党""方便政党"を脱せよ」「言いたいことを言っているだけの無責任、全体観なき政党組織の脆弱さがさらに悪化している」――これらの批判は、いずれも政治学者からのものである。

この国の危機に鈍感であるがゆえに、何をしたらいいかがわからない。意思自体が迷走しているといってよい。マックス・ウェバーは「職業としての政治」で「政治は情熱と観察力を併せ持ちつつ、堅い板を力を込めて徐々に穿っていくこと」を示している。情熱、観察力、社会的責任の自覚を政治的指導者の条件としたあまりにも有名な言葉だ。日本の危機を直視し、堅い岩盤を穿った作業に今こそダッシュしなければならない。

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