政治コラム 太田の政界ぶちかましCOLUMN

NO,67 来日外国人が1000万人突破 / 観光立国に向け好スタート

2014年2月 5日

昨年の訪日外国人旅行者数が1036万人となり、史上初めて1000万人を突破した。2003年にビジット・ジャパン事業を開始して以来10年、なかなか達成できなかった政府目標をついにクリア。私は昨年末の12月20日、成田空港で1000万人目となるタイから来日したご夫妻に記念品をお渡しすることができた。

一昨年の訪日外国人旅行者は836万人。1年間で200万人、24.6%もの増加というのはすごい成果だ。その要因は、まず何よりアベノミクスによって景気経済の回復、円高是正が進み、日本が活力を取り戻したことにある。「元気なところに人は集まる」ということだ。また、ビザの緩和や訪日プロモーションの展開など、政府全体そして官民挙げて取り組んできたことも大きい。昨年7月以降ビザを緩和した東南アジア諸国からの旅行者は大幅に伸び、タイからは74%増、ベトナムからは53%増だ。さらに、富士山の世界文化遺産登録、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催決定、和食のユネスコ無形文化遺産登録といった明るいニュースも、日本の魅力を発信する大きな追い風となった。

「観光立国の推進」は安倍内閣の重要な成長戦略の一つだ。1000万人の目標を達成したといって、この数字に甘んじているわけにはいかない。世界をみれば年間8000万人を超えるフランスをはじめ多くの観光大国があり、日本とはまだまだ大きな開きがあるのが現状だ。1000万人達成は一里塚であり、更なる高みに向けて今年を新たなスタートの年としたい。

その際、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催は大きな弾みとなる。2020年に向けて2000万人の目標を達成できるように進めていかなければならない。やるべきことはたくさんある。政府全体として「日本ブランドの作り上げと発信」「ビザ要件の緩和など訪日旅行の促進」「出入国手続きや多言語対応など外国人旅行者受入れの改善」「国際会議の誘致や促進」の4つのアクション・プログラムを柱として掲げているが、さらに内容を充実していかなければならない。特に、ビザ要件の緩和、災害時の外国人旅行者の安全確保、多言語対応、公衆無線LAN環境の整備、出入国手続きの迅速化・円滑化などは急務だ。この点については、1月17日の観光立国推進閣僚会議の場で、私から関係閣僚に協力を要請した。

これから日本の人口は減少していくが、来日外国人はますます増えてくる。成田、羽田などの空港の整備・拡充は大事だし、その成田、羽田に降り立った外国人旅行者が、スマートホンなどでスムーズに経路案内や情報サービスを入手することを多言語対応で可能にする。仮に災害が発生した場合の避難誘導も、多言語対応で可能にする。このような高度な情報通信を組み合わせた3次元空間のまちづくり、多機能都市づくりを世界に先駆けて実現することにより、外国人旅行者の受け入れ環境を飛躍的に改善したい。外国人に対応した医療や教育のシステムづくりも大切である。

今年は景気・経済など明るく勢いのあるスタートを切ったが、観光立国への好スタートを切ったと言ってよい。

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