政治コラム 太田の政界ぶちかましCOLUMN
NO,69 東日本大震災から3年の正念場/復興の加速へ具体的成果出す
2014年4月 5日
東日本大震災から3年が経った。復興の進捗は人や地域によって格差が残る"まだら模様"。その現状をしっかり認識し、的確に手を打っていかなければならない。特に私は、「今年を被災地の復興を実感できる年にしたい」と言っている。これからは具体論の段階――具体の成果を目に見える形で出して復興を実感してもらう段階だ。
まず道路、鉄道などの基幹インフラについては、着実に復旧が進んでおり、具体の成果も見えてきたところだ。
道路については、福島第一原子力発電所事故の影響で復旧が遅れていた常磐自動車道の常磐富岡~広野間が今年2月に再開通した。これは当初の予定を1か月前倒しした成果だ。さらに未開通の区間についても完成を前倒しして、来年のゴールデンウィーク前までに常磐自動車道を全線開通させることを決定した。開通の目途を具体的に示したことは初めてのことで、「少しでも早く」という被災地の思いに私自身応えようとしたものだ。
鉄道では、三陸鉄道を予定どおり4月に全線運転再開させる。連続テレビ小説「あまちゃん」のシーンにもあったように、鉄道がつながることで、「ああ!復興してきたな」と実感してもらえるはずだ。
一方、住宅・まちづくりの遅れが指摘されてきた。現に今もなお約10万人が仮設住宅に入居し、約27万人もの方々が避難生活を余儀なくされている。早く安心できる住まいに入居してもらえるようにしなければならない。この1年での事業着手率は、災害公営住宅で35%から67%へ、高台移転の防災集団移転事業で12%から88%へと伸びている。計画から工事実施の段階に入り動き出しているが、実際の住宅完成はまだまだ少ない。1年後には計画全体の約4割、1万戸を超える災害公営住宅を完成させる予定だ。住宅建設に一層拍車をかけていかなければならない。
事業に遅れが出ないよう、用地取得や入札不調の問題などにはさまざまな対策を打ってきている。仙台での復興推進会議は今年の2月も含めこれまで3回開催し、被災自治体や業界団体の代表者から直接現場の状況を確認してきた。「現場の声を直接聞く」――これが災害や復興で最も大事だと思っている。
特に入札不調については、「再入札により契約はできており積み残しはない」と現場の知事や市長は言っている。これは、16年振りのことであったが昨年4月と今年2月の2度にわたる労務単価引き上げのほか、間接工事費の割増しなど特例措置を次々と講じていることが功を奏しているものだ。資材、特に生コンの不足・高騰が指摘されてきたが、国直轄の生コンプラントが釜石と宮古で今年9月に稼働し、宮城県も4か所のプラントをつくる。引き続き現場の状況をきめ細かく注視しながら、遅れが出ないように引き締めていきたい。
防潮堤についても、地元のまちづくりの議論も踏まえて合意形成が進んでいると聞いている。景観や環境に配慮した「緑の防潮堤」も、昨年6月に私自身が宮城県の岩沼海岸に行き、植樹を行ったが、今年度はその予算もつけた。丁寧に合意形成を進めながら、着工を急がなければならない。
東北は歴史的にも、食糧、エネルギー、人材を生み出してきたポテンシャルのある地域。さらに日本経済のサプライチェーンに欠かせない地域だ。その東北、そしてそこで暮らす人々の生活を力強く復興させなければならない。これからがその具体的成果を出していく正念場だ。そのエンジンに必ずなっていく。それが私の決意だ。