政治コラム 太田の政界ぶちかましCOLUMN

NO,72  東京の国際競争力強化へ飛躍/虎ノ門ヒルズと圏央道新区間が完成

2014年7月 8日

「世界の都市間競争を勝ち抜く」――首都圏の都市再生や環状道路について永年の懸案が打開され、さらに新たな動きが始まっている。

6月11日には虎ノ門ヒルズがオープン。地上52階建て、高さ247mのビッグプロジェクトが完成した。最新の機能と耐震性を備えたビルで、その地下には今年3月に開通した環状2号線が通る。これは、終戦直後の昭和21年に都市計画決定され、"マッカーサー道路"とも呼ばれていた道路。用地買収の難航で事業が進まなかったが、計画から68年経って実現したものだ。環状2号線はこれから晴海・有明の臨海部に伸び、都心と2020年のオリンピック・パラリンピック会場を結ぶ大動脈になる。さらに6月28日には、圏央道の高尾山IC・相模原愛川IC間(14.8㎞)が開通。東名高速道路と中央自動車道、関越自動車道が一気につながった。

これらのプロジェクトの完成は、東京の国際競争力を強化するために飛躍的な効果を生むものだ。世界の都市間競争は激しい。海外から人や投資を呼び込み、人の移動や物流をスムーズにし、暮らしやすくビジネスがしやすい東京を実現していかなければならない。公共交通やまちづくりでのバリアフリー化や多言語対応を進めるとともに、電線地中化などによって美しい景観を創出し、都市の魅力を高めていくことも必要だ。2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでだけでなく、さらにその後の20年、30年を見据えて、世界の都市間競争に勝ち抜いていかなければならない。

虎ノ門ヒルズの特徴は、立体道路制度を活用して道路と再開発ビルを一体的に整備したことだ。ビルの地下を環状2号線が通り、道路の上空を有効活用している。都心部では道路用地の確保が難しいため、土地の有効活用を図るためには効果的だ。この制度をさらに活用していくため、今年の通常国会で道路法を改正した。これまでは道路を新設する場合にしか立体道路制度を使えなかったが、既存の高速道路を更新する場合にも活用できるようにしたのだ。これにより、首都高速都心環状線の築地川区間の更新に立体道路制度を活用できる。この区間は、前回の東京オリンピックに間に合わせるために、用地買収が要らない川を干上がらせて建設した掘割構造。老朽化が進んでいる上に、元の川の形で急カーブが続き、道路の真ん中に橋脚が残っているなど安全性に課題もある。この道路の上に蓋をして、いわゆる"空中権"を周辺のビルに売却すれば、道路の老朽化対策と周辺の再開発を一体的に実現することが可能となる。
 
そして圏央道の開通。東名と中央、関越の各高速道路を直接つなぐ重要区間の完成により、これまでは都心を経由しなければならなかった広域交通の移動時間が短縮され、都心の渋滞解消効果も期待される。既に開通前から沿線には大規模な物流施設や工場が多数立地。貨物の当日配送エリアの拡大など物流が大幅に効率化することになる。災害時のリダンダンシーの確保など防災面での効果も大きい。さらに東北道や常磐道、成田空港とつなげるために、着実に環状道路の整備を進めなければならない。圏央道のネットワークにより、人やモノの流れが大きく変わることは間違いないだろう。

世界の都市間競争に勝ち抜くためには、東京をはじめ首都圏のバージョンアップが不可欠だ。そのための取組みをこれからも着実に続けていかなければならない。

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