政治コラム 太田の政界ぶちかましCOLUMN

NO.91 大震災から5年――復興は新たなステージに/被災者支援、福島の復興・再生に全力!

2016年3月 5日

3.11東日本大震災から5年となる。道路・鉄道等の基幹インフラの復旧・復興は目に見えて進捗し、遅れがちであった住宅再建・まちづくりも進んでいる。しかし、避難者は約18万人(当初は47万人)、仮設住宅にもいまだ約6万人の方が住み、避難の長期化により体と心の健康への支援、産業・なりわいの再生が重要となっている。

常磐道開通270301.jpg私が国土交通大臣を務めた安倍内閣の3年、まさに「東北の復興の加速」は最優先の課題だ。私が重視したのは「復興の実感」――。確かに復興が進んでいるということを被災地・住民に「実感」してもらえる具体的施策の実行だ。3.11発災直後の気仙沼のカツオ漁業の再開、一昨年4月の三陸鉄道の全線運転の再開、昨年3月の常磐道全線開通、さらには災害公営住宅の入居開始。国交省による復興加速化会議の累次の現地開催は、まさに「実感」をめざして行ってきたものだ。

いよいよこの5年を期して、4月から復興は新たなステージに移る。5年間の「集中復興期間」が終了し、28年度から「復興・創生期間(32年度まで)」が始まる。その間の復興事業費6.5兆円に見合う財源も確保される。そして次の5年の復興の基本方針もつくられ、「総仕上げ」に向けてステージが始まる。大事な大事なスタートが今だ。

相馬市0330.JPG課題は多いが柱となるのは4つ。そして東北観光も大事なけん引力だと思う。第1の柱は、被災者支援だ。特に仮設住宅での心身ケア、恒久住宅移転後のコミュニティ形成、被災者の生きがいづくりへの支援が重要だ。

第2に公共インフラの復旧と住宅の再建だ。災害公営住宅は、計画戸数約3万戸のうち、今春までに1.7万戸、来年3月までには9割が完成の予定だ。高台移転も今春9千戸完成(目標の45%)となる。復興の現場で人手や生コンの不足、資材の高騰、入札不調などが課題となっていたが、私自身、公共工事設計労務単価の引上げ、国による生コンプラント建設など、次々と手を打ち、改善してきた。

第3は、産業・なりわいの再生だ。生産設備の復旧はほぼ終えてきており、農業や水産加工などは業務再開となっているが、売り上げが戻ってきていない。一度失った販路を取り戻すのは容易なことではない。これら業種への支援や、女川駅前のように新しい町並みでの商業の再開支援など、やるべきことは多く、より現場・現実を踏まえての支援が急務だ。

福島第一原発視察②.jpg第4は、福島の復興・再生だ。最も大事で、最優先すべきことだ。除染や中間貯蔵施設の建設及び土壌等の搬入が開始されたが、常磐自動車道をはじめとする道路整備は復興のために加速させてきた。何よりも被災者の意向に沿うこと、寄り添っての対応を更に心がけることだ。帰りたい人が帰ることができる環境整備、国が前面に立って取り組んでいくことが大切だ。

東北に真の復興をもたらすために、「風評」と「風化」という2つの風との闘いがある。そのためにも観光が大事だが、全国の観光が活性化するなかで、残念ながら東北は遅れている。風評被害を払拭し、観光による復興を加速化させることが今年の重要課題だ。このため、昨年6月に認定した東北地方の広域観光周遊ルートの形成に向けた支援、
東北観光の魅力を海外に発信する取り組みなど、東北の観光振興を図っていく必要がある。とくに今年3月26日には、東北新幹線が青函トンネルを渡り、新函館北斗駅に届く。仙台空港のコンセッションも今夏には動く。東北・北海道連携しての観光の大きなチャンスといえる。観光で大切な「見るもの」「食べもの」「買いもの」の3つとも東北は揃っ三陸鉄道 式典1.JPGのサムネイル画像ている。文化も伝統も、そして防災の視点からも学ぶものも多い。

被災者の方々に、一日も早く復興を実感していただけるよう、これからも現場の声を聞き、各市町村の実情をきめ細かく把握し、機動的な対策を打っていくことで、さらなる復興の加速化を図っていくことを決意している。

facebook

Twitter

Youtube

トップへ戻る