すべては夜明け前から始まる.jpg「大韓民国CEO実用主義の大統領、李明博の心の軌跡」という副題がある。極貧の中で育ち、物ごいの隣に住み、ポンティギ売り、大判焼き売り、高校にも大学にも行けないほどの環境のなかでそれらを自らの五体に刻みつけながら挑戦し、乗り越えてきた、まさに踏み固めた不屈の人生がそこにある。その中には母親、そして父と兄、中学校の担任、現代グループの鄭周永元会長の存在がある。母の人生哲学と涙と闘争心。すごい人生の新大統領に期待したい。 


日本に国家戦略はあるのか .jpg戦略なき大国から戦略あるミドルパワーへ。国家のありようを考えよう、と訴えている。
こういう角度で、ちょうど50年前の国防の基本方針、冷戦中の1976年の防衛計画の大綱、冷戦後の95年の大綱、9・11テロ後の2004年大綱の背景と制約を、歴史を丁寧に探りつつ明らかにしており、きわめて意義深い。取材を重ねて描き出しているだけに臨場感があり、きわめてわかりやすい。
貴重な仕事に感謝したい。


性や死について話そう.jpg現在、東京家政大学学長の片岡先生の20年前の著作。池ヶ谷直美さんとの対談と各テーマについて語った本だ。「グリーン、グリーン」や「飛んでったバナナ」などの作詞もしている片岡先生は、子どもの教育は勿論、地域との交流、学長の立場など活動は幅広い。
しかし、背景には、「性と死」「生と死」という哲学があり、深い。そしてやさしさ、温かさがある。先日、対談をさせていただいた。「性や死をどのように子どもたちに伝えるか」「現代の社会は死をかくし、悪をかくす。

しかし、子ども達は、"こわい"ものに魅かれ、見たい欲求がある。その全てをいかにして見せていくか。その丁寧な発達過程における学習を助ける忍耐と許容が親には必要だ」「"飛んでったバナナ"も船長さんに最後食べられてしまう。ハッピーエンドではない。そうした物語性と哲学性を入れた」「民話、伝統文化、そうしたなかに人間の智慧がある」「"いないいないばー""鬼ごっこ""かくれんぼ"などの遊びにも智慧がある」――など、蓄積された言葉に感動がヤマほどあった。本書はその思想・哲学的源流だ。


がんのひみつ.jpg中川先生に会うと、「この本は渾身の作です」といわれていた。わかりやすく、「がんとつきあう」「がんも、そんなに、わるくない」「いざというときに、あわてない」「死に方上手――どうせ死ぬなら、がんがいい」などと項目別に解説しており、69の「ひみつ」が書かれている。

昨年6月15日、安倍総理とともに東大病院を訪れ、放射線治療の現場で、中川先生から説明を受けた。

がんにあまりにも無知、勉強不足の日本の人々に、少しでも早く、その現実を知ってほしい、取り組んでほしいという中川先生の願いが、行間にあふれている。


福田 衣里子.jpg一昨年2月発刊の本。薬害肝炎原告の福田衣里子さんの本。「私は早く、C型肝炎とさよならしたい!」と副題がはいっている。「本当によかった」「よく頑張ったね。本当にご苦労様」――私が山口さんや、福田さんにかけた言葉だ。昨年来、お会いして話をしたときのままの率直な人柄、走り過ぎぐらいの真っすぐさがにじみ出ている。

将来の夢を模索し、ひたむきに生きていた時、C型肝炎とわかったあとの病気との格闘の日々の時――くっきり分かれた日々が率直に語られる。身体に毎日気をつけて、いい人生を生き抜いて下さい。

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プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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