二人の対談、そして、農業では「日本の食と農」(NTT出版)の神門善久氏が加わる。
「答えを求めず、『ものの見方』を身につけよ」「日本の教育は『見る目』を養おうとしない。先に正しいやり方があり、正しい文字があり、正しい発音があると思っている。これでは話が逆だ」「概念で世界を作り上げるのは楽だ。頭が固い。要するに抽象的で現実を単調に見ているだけ」「モノから考える考え方が大切。具体的なモノ、データに則って考えれば本質が見えてくる」
人類史はエネルギー争奪史――木材がエネルギーであった昔と今の石油。
温暖化対策に金をかけるな。温暖化がもたらす最大の問題――雪がなくなる、水の問題。少子化万歳。浮上するアメリカ問題、中国問題と現代文明。
平場の優良農地がなぜ耕作放棄されるのか。「困窮ではなく、贅沢ゆえの耕作放棄だ。日本の米作は完全自由化でも強い(神門氏)」など、概念のベールをはいで、モノから、データから、現実、現場から見る「見方」を語っている。
10月は「乳がん月間」、10月1日は乳がん検診の日(ピンクリボンデー)。それが表題、そして副題に「今を生きる」とある。2~3時間の睡眠時間で走り回ったアイドル時代。学業、結婚、仕事、ボランティア、家庭――その間の「アグネス論争」。そして、唾液腺腫瘍、乳がん。想像を絶する不安と家族愛、そして人民大会堂のコンサート。
仕事と家庭とボランティア(社会貢献)の三本柱の生活を生き抜くアグネス・チャンさんとは、ここ3年ぐらい何度もお会いした。日中友好で、そして児童ポルノ問題で。ピュアで、自然で、現実からけっして目をそらさないで、一生懸命に、世界を舞台に強く生きている。「感謝」「有難う」「人の生命を大事に」「心の孤独な人に、病んでいる人に、優しさの輪を広げる」「命の輝きを求めて」ひたむきに生き抜こうとしているアグネス・チャンさんが生きる意味を語ってくれている。
米国発の金融危機・経済危機の原因を述べているが、最近のそうした分析の書とは全く違う。大武さんは、税のプロ中のプロであるとともに、産業界の実体・経済政策にくわしいエコノミストだが、ベトナムで日本語で複式簿記を教える学校を立ち上げるなど世界を飛び回っている。
世界の大変な時代はもう1990年代初頭から始まっている。為替レートを使った米の対日攻略に日本はさらされ、グローバル化、超高齢社会化、環境制約・資源制約の顕在化の大きな変化の渦中にある。
今後を考えればまず、日本はジャパン・クールのモノづくり大国であることをより生かしていく必要がある。そして日米協力も大切だ。米国発の金融破綻が世界に拡散したが、米国はあくまで基軸通貨国であり、アメリカドルが安定していなければ日本経済の安定も発展もない。
さらに、とくにアジアだ。アジアの人口は増え続ける。日本は人口減少社会を迎える。だからアジアとの連携・協力のなかで日本経済を活性化させることが不可欠だ。大武さんが、「日本の税理士による未来会計を活用せよ」「複式簿記をベトナムに、アジアに普及せよ」「アジア活性化のために日本語を」「日本の発展の大前提は平和であり、戦争回避に努力せよ」と行動するのは、この「大変」のなかで日本はどう生き抜くかを模索し、切り拓こうとしているからだ。
まさに、大武さんは世界の新たなグローバル・ステージのなかで、日本がどう生き抜くか。「大変」を踏まえたうえでアジアと世界の上に立ってどう頑張るかを示しているわけだ。また、企業のあり方、働き方、相続税制のあり方等に専門家として提言をしている。受け止めたい。
堺屋太一さんの本は「油断」「団塊の世代」「峠の群像」にはじまり、ずっと読んできた。この本は今、時代の変わり目の大激震にあたり、近代工業社会から知価社会への転換を改めて語っている。物財の豊富が幸せという社会から満足が大きい主観の世界に変わったということを、本当に認識しなければダメだと繰り返し述べている。
1つは明治維新とは何であったか。(1)開国(2)武士の身分を廃止(3)廃藩置県(4)新貸令(5)教育制度と軍事体制――それはグローバリゼーション、公務員改革、道州制・・・などとなる。
もう1つはチンギス・ハンはなぜ世界を制覇できたか。その強さとは何か。
そうした例を引きつつ、この20年にわたって指摘し続けている知価社会に本格的に対応できる国をつくらねばならない。
