28日、第198回通常国会が始まりました。会期は150日間、6月26日までとなります。今年前半は皇位継承、G20、そして統一地方選、参院選など重要行事があります。その中での通常国会となり、タイトな日程となります。まずは、18年度第2次補正予算案と19年度予算案の早期成立に全力を上げます。
補正予算案の中心は防災・減災、それもレベルの上がった災害に対しての抜本的対策に踏み込みます。来年度予算では景気・経済を上昇させる。10月からの消費税引き上げに対して反動減等のないように対処する。全世代型社会保障への取り組みでは幼児教育、大学などの高等教育、私立高校授業料の「3つの無償化」がついに実現します。統一地方選、参院選の勝利に向けて走ります。
「世界は存在しない。だが、一角獣は存在する」――。ドイツの哲学者、マルクス・ガブリエルのあまりにも有名な言葉だ。その「新実在論」の若き天才・哲学者に、丸山俊一氏とNHK「欲望の時代の哲学」制作班が、日本を歩き、インタビューし、思考を加えたもの。哲学そのものの論文ではなく、現実の「民主主義」「資本主義」、そしてAI・IoT・ロボットの急進展する社会について、どう考えるかを問いかけたユニークな試みだ。
「哲学はルールなしのチェス。格闘技みたいなものだ」「哲学は時代との格闘だ」「哲学は合理的な精神分析」「現実は無限に複雑だ。単一の統一されたものなどない(無限に複雑性を肯定せよ)」「僕が提示するアンソロジーは、『ハイデガー+日本的思考』、あるいは、ハイデガーからヨーロッパ中心主義的要素をなくしたものに近い」・・・・・・。生老病死の世界を直視しながら、「諸法実相」「如実知見」「現当二世」の哲学が随伴して立ち上がる。そして、現代哲学が時代との格闘のなかで生じてきたことが浮き彫りにされる。すべての意味が破壊された第二次世界大戦の反省のなかから「実存主義(自分の人生以外に、自分の人生に意味を与えるものは何一つない。自分の人生において、自分が唯一の意義の源)が生まれる」。そしてレヴィ・ストロース等の構造主義が生まれる(自分の「主観性」つまり自分の自分に対する感じ方は、構造のネットワークにおける一つの結節点)。さらにジャック・デリダの「ポスト構造主義」が生まれ、「言語は、未来から現在を通して過去に流れる。言語は逆の時間方向を持っている。人生は思考する生き物として生から死へ流れるのではなく、死から生へ向かう。未来が現在に、そして現在が過去に構造を与える」。そして本書の「新実在論」の締めくくりで「人間はみな動物だ。現実と道徳的事実がどのようなものか知る能力を持つ人間であり、動物だ」「知恵をもつことに勇気をもて」という。末尾にロボット工学の権威・石黒浩氏との対談があり「人間はいかにして、人間たる証を得るのか」を語る。
難解きわまりないハイデガーの「存在と時間」。学生時代から解説書等に触れてきたが難しかった。「被投」「企投」「現存在(ダーザイン)」「世界内存在」「本来性・非本来性」「世人」「空談」「未了」「先駆的了解」「時間性」「時間内存在」・・・・・・。難解で独特の言葉の意味を、「文学部唯野教授・最終講義」として比喩も交えて語ってくれる。うれしくなるほどだ。
「現存在とは人間のこと。死ぬ存在」「現存とは自分が死ぬと知っているから自分を気遣い、次に道具を気遣う」「実存とは、自分の可能性を見つめて生きる存在のしかた」「非本来性とは、できるだけ死から目をそむけるようにする生き方」「共現存在の非本来的な人たちを世人と言う。死を忘れさせてくれる存在」「死を忘れるための空談」「不安が人間を本来的な場所へ戻す」「不安のもとは自分が死ぬということ」「先駆的了解と先駆的決意性」「人間の存在している意味というのは時間性である」「現存在というのは世界内存在であると同時に、時間内存在である」・・・・・・。そして大澤真幸氏が補足として素晴らしい解説を加えている。「存在の意味は時間である」というテーマを、「新約聖書」「イエス・キリスト、終末」「死への切迫した覚悟こそが、人の倫理性の強度を極大化する」等々、難題を包み込むように剔抉する。