政治コラム 太田の政界ぶちかましCOLUMN

太田昭宏の政界ぶちかまし☆50

2007年11月26日

ストレス社会、クレーム社会といわれる昨今、「鈍感力が大事だ」との意見があるが、政治では「敏感力」こそ必要だ。私は小泉構造改革を進めていた当時、小泉純一郎元首相に度々「構造改革と言っても、政治が構造改革をやる前に、世の中が先に構造変化をしている。その変化に敏感に対応することが政治では大事だ」と言ってきた。

最近感じることだが、どうも日本の政治は、世界の激変に疎い気がする。中国やインドの台頭、欧米におけるテロの脅威...。世界が今、こうした潮流にあることを実感できていない。

また一方で、国内では庶民の生活や現場の変化にも、政治が鈍感になっていることを痛感する。格差社会といわれるが、現場は半年単位と思えるほど、変化している。経済的な側面では、原油高の影響は各方面に及んできている。先日の政府との会合で私は、原材料価格転嫁対策の徹底や金融面での中小企業対策を訴えた。

医療の現場も構造変化の波に洗われている。奈良県の妊婦たらい回し死産事件をはじめ、救急医療の現場も大変な状況だし、産科・小児科不足は地方だけでなく都市部を含めて深刻だ。また地域医療を担ってきた中小病院が次々と倒れている。

そこには産科・小児科を輩出する大学教育の仕組みの問題もあるし、患者から「責任を取れ」などのクレームがくるといったリスクを負うことを忌避してしまう問題もある。看護師については、「7対1問題」(患者7人に看護師1人という配置基準)や「72時間問題」(看護師1人あたりの月平均夜勤時間数の基準)などの問題がある。

特別養護老人ホームなどの介護施設は人手不足も深刻で、景気上昇に伴う若手職員の転職、報酬体系の低下、コムスンなどの問題によって貴い仕事の「誇り」が失われていることなどが因となっている。

地域活性化といっても、高齢化や過疎の進展で存続が危ぶまれる「限界集落」の存在もあり、構造的に手を入れないといけない。

私は徹底して現場に入り、変化の実態を調査し、政策実現を図ることが大事だと思っている。生活現場の変化に敏感に反応し、スピードある行動を取り、集中して政策を実行に移すこと。「敏感力・公明党」を現場の荒砂で磨き上げたい。

facebook

Twitter

Youtube

トップへ戻る