政治コラム 太田の政界ぶちかましCOLUMN

太田昭宏の政界ぶちかまし☆49

2007年11月12日

「政界は一寸先は闇」というが、自民、民主両党の党首会談、民主党の小沢一郎代表の辞意会見、そして復帰と激震が続いた。その都度、福田康夫首相から報告を受け、意見も言ったが、状況の変化は目まぐるしかった。

福田首相の考えは明確だ。「新テロ対策特別措置法案への協力を求める」「ねじれ国会といわれる現状を打破して政策実現への新しい体制を築く」という会談の趣旨を私にも明確に言っているし、その模索を粘り強くやるということだ。「急なこと」と言う人もいるが、参院選直後から話題としては出ていることで、そこには日本が政治の"ねじれ"によって、国の重要政策が何も決まらない国であっては、世界の急進展の中で置き去りにされるという危機感がある。

私もこの3カ月、政治の停滞は許されないと言い続けてきた。景気、経済が良くなったと言っても、それが中小企業や庶民の懐、地方に回るかどうかというヤマ場を迎えている。財政再建も、2011年のプライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化に向けてヤマ場だ。

少子高齢化の中で、持続的な社会保障をどう築くか。人口の多い団塊ジュニアが30歳前後であるという重要な時に少子化対策にどう手を打つか。地球環境の変化にどう対処するかなど、日本は重要な時に差し掛かっている。政局争いのみをしていては、日本も国民も不幸だ。今回の大連立劇は民主党内の小沢代表への不信ということを残して、ゼロ地点に戻ったというより、さらにマイナスの地点に行っているように思う。

しかし、私が感じているのは、もう1つの動きが党首会談の裏で進行していたということだ。与野党の話し合いが、この所、急速に始まっていた。政治とカネ、被災者生活再建支援法の改正、中国残留邦人への支援など、いずれも与野党協議が進展した。最低賃金法の改正など労働2法や肝炎対策も一気に進んだ。

ウサギ(大連立)の手法はダメになったが、カメの歩み寄りは現実に始まっているということだ。これらの協議には、常に公明党の庶民の生活重視の粘り強い戦いがあったと自負している。公明党は今後も与野党協議の接着剤となり、政策実現の先頭に立って、一層頑張っていきたい。

仕事をしなければ政治ではない。政治の停滞は、この日本の緊急事態に許されるわけがない。

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